F's Watch
How to Make
Soft Leather Band


[2014.6.7]
revised [
****.*.*]



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時計バンドの作り方

Prologue
2014年GWの夜にAmazonでポチッたのが、
中華ムーブを載せた時計です。

BROOKIANA は中華ムーブの時計を企画販売する
ディンクスという会社で、「フランク三浦」シリーズもあり、パクリの自虐の要素があるようです。

BROOKIANA  BA1665-SVGP
SEA-GULL AUTOMATIC
BIG DATE


ビックデイトが目にとまり入手したのですが、
クロノでもないのタキメーター付きだったりするのが、
ファッションウォッチらしいところです。


紙箱を開けると、中華らしい大きい時計で、
持っている腕時計の中で一番の大きいです。

時計の質感は思っていたより高く、バンドは厚手の
クロコ型押しPVCレザーでした。

バンドが硬いので換えようと探しましたが、
気に入ったものが見つかりませんでした。

デザインが良くても、
カラーが無かったり・・・
サイズがなかったり・・・
バンドを作るか!

シミュレーションすると、こんな感じです。
時計が腕いっぱいにある感じになります。

今回のF's Watchbandのコンセプト
@カシミヤのように柔らかさ
A腕にジャストフィットする立体成型
Bブラウン系の革に白ステッチで仕上げ


表革はストックのブラウン系から選びますが、
並べたら8種類も持っている事が判明しました。
選んだのは左から2番目の柔らかいカーフです。


BROOKIANA  BA1665 を採寸し立体設計し、
平面図に直し、表革、裏皮、芯材の型を作成し、
プリントアウトして、厚紙に貼りつけ型紙にします。


裏革はホワイトの柔らかいカーフ
型紙に合わせ切り出すのも、革が柔らかいだけに
変形するので大変です。


苦労してなんとか切り出した裏革です。
下側は型紙ですから、ちゃんと切り出せたようです。
エッジはラウンドにしています。


芯材は固めの革を使います。


芯材のヘリを落とします。


表革も型紙に合わせ切り出しますが、
型紙は2mmオーバーサイズにしてあります。

理由は柔らかいため貼り合わせ後に、
チリを切り落としてサイズ合わせするためです。


裏革を立体成型用の型に固定し、芯材を貼りつけます。
芯材の端はテーパー加工(斜めに漉き)しておきます。




表革をゴム系接着剤で貼りつけます。
表革がオーバーサイズなのが分かりますか。


ちゃんと立体成型になっています。
裏より表の方が伸びる革を選んでいます。


折り返し部分を漉いていきます。
裏革に合わせ、表革のはみ出た部分を切り取ります。

貼りつけ後にチリを切ることによって、
設計通りのサイズになるのです。


革漉きに使う道具は、替刃式の「別たち」です。
繊細な部分の加工では、別たちの刃の薄さは
とても使いやすいのです。
ただし、焼きが入っていないので刃先が鈍りやすく、
鈍ったら砥石で砥いでから使うのがポイントです。


大ざっぱなに早く漉く作業はカミソリのような、
ドイツ・ゾリゲンの「革スキ」を使います。
刃を曲げてセットするため、綺麗に面を出すような
漉きには使えません。


バネ棒用に補強パイプを入れてから接着します。


上:素材のまま
下:目止め処理後

遊革と定革を切り出します。
裏打ちせずそのまま使いたいので、
目止めと変形防止のため、
裏側に透明のトコノールを塗ります。


斜め漉して貼り合わせ、遊革と定革の完成です。
オーバーラップ15mmにして、縫い合わせはしません。


メンディングテープを貼り、ステッチ位置にラインを引き、
丸棒の上で目打ちします。
親側短いので、平な場所でも目打ち出来そうですが、
平らにするとメンディングテープが浮きます。

ヒシ目打ちは1.5mmにします。
6本打ち、4本打ち、1本打ち使い目打ちしましたが、
2本打ちがないとカーブが作れません。

新たに目打ちを買う人は、6本打ちと2本打ちだけで
何とかなると思います。




同じように、もう一方も目打ちしていきます。
剣先側は長いので丸棒の上で目打ちします。


ヒシキリで穴を貫通させ、ロウビキ糸で縫っていきます。




親側も縫っていきますが、定革部分は縫いません。


バネ棒用の補強パイプと定革を入れ接着します。

大分出来上がってきました。


細かい部分を仕上げていきます。
バネ棒脱着用に切り込みを入れます。


自分の腕に合わせ、尾錠の位置合わせをし、
今回は1ヵ所だけ穴あけします。

小穴開けには、1.5mmの打ち抜きポンチを使います。


小穴が見えない、すっきりした仕上がりとなります。

コバは茶色トコノールで、仕上げるつもりでしたが、
表裏ともカーフなのでとても柔らかいため、
サイドはホツレや剥がれの心配があります。

そこで方針を変えて樹脂硬化仕上げにして、
対策する事にしました。

見栄えが心配だったのですが、硬化剤が薄茶なので、
仕上がりは落ち着いた感じになりました。

F's Comment

カーフキャメルが良く似合っていると思いますが、
娘の感想は、ふつうに売っているような感じ・・・
確かにオーソドックスデザインです。

@カシミヤのように柔らかさ
→柔らかいカーフ仕立て

A腕にジャストフィットする立体成型
→良い感じです

Bブラウン系の革に白ステッチで仕上げ
→手縫い感がある蝋引き糸を使いました。

柔らかいカーフでバンドを作るのは大変でしたが、
やさしい装着感に大満足です。

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