F's Watch
How to Make
 Curved End Leather
Watch Band


[2013.6.16]
revised [
2013.8.10]



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時計バンドの作り方
Prologue
2013年2月仙台で奥では職人さんが作業している
雰囲気の良い革工房を見つけました。
それから革で何か作りたいなぁ〜
と思いつつ時間は流れていき・・・

GWに娘がレザークラフトの道具を買う時に、
一緒に付いていったところ、革ひも使っていかにも
「レザークラフトしてます」というキットや作り方を
紹介した本が多くありました。

そういう「いかにも」系は趣味に合いません。
さりげなく普段使いができるものが好みです。

買った本は

大人のレザークラフト
スタジオタッククリエイティブ

表紙の時計に目を引かれました。
目次にも、「ウォッチバンドを作る」があり、
写真も紙質も感じが良いので購入しました。

Custom for OMEGA constellation
CAL.564
AUTOMATIC
CHRONOMETER
OFFICIALLY CERTIFIED
 


機械式時計が好きになった頃に、今は亡き師匠に
オーバーホールしてもらった思い出の時計です。

純正バンドは付いていなかったので、
市販の弓環付バンドを買いましたが、
ケースと合いませんでした。

加工するのも面倒だったので、直環タイプ
のバンドを付けていたのですが、
矢印の隙間がとても気になっていました。

F's Watchbandを作るにあたって、
ハンドメイドの強みを活かすべく

@constellationのケースにジャストフィット
→カーブドエンド加工

A腕にジャストフィット
→ブレスレットのように立体成型

Bオリジナルデザイン
→存在感とシンプルな雰囲気の両立

に挑戦してみることにしました。


OMEGA constellationのケースを採寸し、
CADで型紙を作成しますが、立体成型をするため、
立体図で設計してから、平面図を表革、裏皮、芯材用
をそれぞれ用意します。
プリントアウトして、厚紙に貼りつけ型紙にします。


革は手持ちのストックの中から選びました。
表はシボのあるブラックレザー
裏はホワイトレザー
芯材もホワイトレザーを使い回し

型紙に合わせて「カッターナイフ」で切り出します。 
刃が新しければサクサク切れます。


芯材の端をテーパー加工(斜めに漉き)します。


革漉きに使う道具は、替刃式の「別たち」です。
繊細な部分の加工では、別たちの刃の薄さは
とても使いやすいのです。
ただし、焼きが入っていないので刃先が鈍りやすく、
鈍ったら砥石で砥いでから使うのがポイントです。


大ざっぱなに早く漉く作業はカミソリのような、
ドイツ・ゾリゲンの「革スキ」を使います。
刃を曲げてセットするため、綺麗に面を出すような
漉きには使えません。


エンドピースは弓環状にするので、
バネ棒は少し内側に入るため、
一般的な巻き込み式では対応できません。


芯材と裏革のバネ棒の位置に溝を彫ります。


ブレスレットのようにするため、手首のサイズに
合わせたパイプに、裏革を両面テープで固定します。


バネ棒の代わりに1.6mmの金属線を入れます。

裏革と芯材をゴム系接着剤で貼り合わせます。


続いて表革を貼り合わせます。


接着剤が乾くと、立体的なブレスレットの原型が
出来上がります。


カーブドエンドの形状が綺麗にできるように、
表革を薄く漉いてから貼りつけていきます。


エンドピースの巻き込みが済んだ状態です。
思った通りの形に出来ています。


ヤスリで端面を整え、トコノールでコバ塗りします。



コバ塗りの3回仕上げ後です。


親側の革を切り出します。
型紙は剣先側をそのまま使います。


芯材のテーパー加工は、こんな感じに仕上げます。


型に裏革を固定し芯材との接着部分に、
接着剤を塗っておきます。


バネ棒の位置に金属線を入れから、
芯材を貼りあわせます。

貼り合わせたら、金属ローラーでよく圧着します。


親側も、綺麗な曲線に成型できました。


エンドピース側を、巻き込みます。


定革と遊革を作ります。
表革を幅6mmに切り出してから、0.8mmまで漉いて
柔らかくしてから、10mmの重ねあわせ部分を
テーパーに加工して貼りあわせます。


親側に遊革を入れてから、定革を接着します。
抑えているのは圧着用に加工した工具です。


尾錠側のバネ棒を通す補強パイプを入れてから、
巻き込んで接着していきます。


尾錠側の巻き込みは、こんな感じになりました。

 
プッシュ式Dバックルにするので、つく棒の切り込みはしません。これだけでも見た目が良くなります。


エンドピース側も接着して、親側が完成です。


剣先側に穴をあけていきます。
穴のピッチは7mm、穴径は1.5mmにしました。
正確に穴あけができるように、CAD図面を貼ります。


穴開けには、1.5mmの打ち抜きポンチを使います。


1.5mmのポンチで穴あけしします。


エンドピース部分は厚くて頑丈ですので、
バネ棒工具が入るよう、片側を切欠いておきました。


F's Comment

@OMEGA constellationコンステのケースに
ジャストフィット、エンドピースとケースに隙間は
ありません。


A腕にもジャストフィット
画像のようにかなり厚く、硬く仕上げていますが、
腕の断面形状に合わせて成型しているので、
装着感が強くありそうに見えるのに、
実際にはとても心地良く感じます。


Bオリジナルデザイン
ソリッド感を出すために、敢えてステッチを廃して、
ブラックとホワイトのツートンにしたコントラストで、
落ち着いた雰囲気にできたと思います。

2013年のGWに作った、F's Watchband 1stは、
いきなりのお気に入りバンドになりました。

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