雲台の選び方


[2010.4.24]

revised [2019.8.16]



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雲台・・・直感的に分からない曖昧な呼び方で私は好きではありません。
英語ではHEADなので、もっとセンスの良い呼称があったと思うのですが。

三脚を買えば雲台は付属しているいうイメージがありますが、
中級グレード以上では雲台別売りというモデルもあります。

ほとんどの三脚と雲台はネジで接続されていますので、
撮影目的に合わせて雲台を代える事が可能です。

雲台は「思い通りに動かせ、確実に固定できる」のが理想ですが、
思い通りは個人の感覚となり、人により許容範囲が異なってきますが、
確実に固定出来る感覚は共通だと思います。

ここでの固定は被写体に対してフレーミングを固定するという意味のなので、
フレーミングを決め雲台をロックしてもズレる場合は固定とは言えません。

なぜズレが起きるのでしょうか。
三脚のネジも雲台のネジも締めたのに・・・

それは、地面が柔らかくて固定が効かない場合や風による外力以外は、
三脚、雲台、三脚座、カメラ底部の固定ネジなどの剛性不足が原因となります。

剛性の高い雲台は三脚と同様に大きく重くなります。
私の場合はなるべく大きくて重いものは持って歩きたくないので、
雲台を使う時に、どれを選ぶかはケース バイ ケースです。

雲台も三脚と同様に、使用機材に対応するものを選ぶ必要があり、
三脚とのバランスも重要なので、三脚の重さの1/2までが適しています。

GITZO Rationnelle Low Profile Head G1270

G1270 Specification
Center of gravity remains over tripod
Includes .25'' and 3/8'' screws
Platform size:  120x70mm
Height: 85mm
Maximum load:  4.5kg
Lateral tilt:  +90°/-20°
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight:  700g

雲台のRationnelle Low Profile Head G1270は、低頭タイプの平型ヘッドで
プラットホームが大きいので、長玉の三脚座を載せても安定しています。

水準器も内蔵された無骨なデザインが質実剛健さを感じさせてくれます。

画像のTokina AT-X 150-500mm + Nikon F3HP & MD-4と
80-200mm/2.8 + Nikon F4sを手持ちで子供の運動会を撮っていました。

GITZOの三脚と雲台をセットにして使うのは一般的ですが、
他社の雲台とGITZOの三脚を使っている人も多い気がします。

GITZOの雲台を他社の三脚に組み合わせている人は少ない気がします。
雲台が三脚を選ぶのか、三脚が雲台を選ぶのか、何となく不思議です。

GITZO  Rationnelle 3-Way Head G1371M

G1572 Specification
Rationelle 3-Way Head.
Recommended for use with Series 3.
Platform size:  56x67mm
Height: 175mm
Maximum load:  6kg
Lateral tilt:  +90°/-60°
Vertical tilt:  90°/-50°
Pan:  360°
Weight:  1055g

GITZOの3型のヘッドで、マグネシウム製のため、
従来のアルミ製に比べると驚くほど軽く感じます。

Nikon D800を載せてもプラットフォームは余裕です。

望遠レンズも安心して使えます。


雲台はボールヘッドの方が3Wayより人気があり、
以前は高価だった3Wayが安く入手できるようになり、
名門の感触を気軽に楽しんでいます。

3ウェイ雲台はボールヘッドに比べ、
画角を微調整しフレーミングする時に便利で、
望遠レンズの撮影にも向いています。

GITZO  Rationnelle 3-Way Pan/Tilt Head with QR G1572

G1572 Specification
Rationelle 3-Way Pan Tilt Head (G1572) With quick release plate.
Recommended for use with Series 4 and 5 tripods.
Platform size:  54x56mm
Height: 200mm
Maximum load:  8kg
Lateral tilt:  +90°/-60°
Vertical tilt:  90°/50°
Pan:  360°
Weight:  1685g

GITZOの3ウェイヘッドで、低頭タイプと比べると、
積み上げ構造の違が分かると思います。

上下チルト調整は、フリクションコントロールが可能で、
5型らではの大型機材でも安心して使えます。


他社の3ウェイ雲台に比べ、かなり背高になっています。


GITZOのクイッククランプ方式は、アルカタイプとの互換性はなく、
大型のQRプレートは、小型のQRプレートと互換性はありません。

小型のQRプレートはアダプタを介して、アルカタイプのクランプへの
対応を可能にした事がありました。


現在GITZOの3ウェイ雲台は、ロープロファイルタイプのみで、
このタイプはオークションか中古店で入手するとかありません。

GITZO Magnesium Off Center Ball Head G1275M

G1275M Ball Head Specification
Platform size:  60x45mm
Height: 110mm
Maximum load:  5kg
Side Tilt 90°
Front/Back Tilt 360°
Pan:  360°
Weight:  550g

GITZOの自由雲台といえば、このユニークなオフセンターボールヘッドです。

パンとチルトが独立して操作でき、大きく操作性の良いノブがチルト用、
小さい方といっても普通のサイズがパンストッパーです。


一番の特長がアングルの自由度が極めて高い点にあります。
チルト方向は360゜と制限がありませんし、軸が中心からオフセットしているので
こんな感じでも使えるのです。

Velbon Super Arm-7には欠かせない自由雲台です。

SLIK 3-Way Pan Head SH-704E

SH-704E Specification
Platform size:  50 x 40mm
Bottom Diameter: 24mm
Height  : 75mm
Maximum Load:  2kg
Lateral tilt:  +90°/-5°
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight : 290g
Price : 8,100yen

2ハンドル式の雲台SH-704E
超小型の3ウェイ雲台で、コンパクトながらもクイックシュー仕様なので、
出先でのカメラ脱着も簡単で確実です。
気が利いておりカメラへの取付ネジも手で締められるようになっています。

超小型雲台ながら太いゴムグリップ付のショートハンドルで操作性は良好です。
上位機種同様にフォールディング時は、ハンドル同士を組合せる事でコンパクトに収納できます。
こんなに小さいのに水準器を装備しています。

軽装備で構図にもこだわりたい時に最適な雲台です。

SLIK EXCELLA 4 FREE TURN HEAD

FREE TURN HEAD Specification
Platform Diameter: 55mm
Bottom Diameter: 39mm
Height  : 105mm
Maximum Load:  2kg
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight  : 432g
Price : 6,600yen

スリックオリジナルのフリーターン雲台(FREE TURN HEAD)です。

このFREE TURN HEAD雲台は「EXCELLA4雲台」という商品名で単体販売されていました。

2009年5月まで、EXCELLA4雲台を2個装備したマルチアームIIが、「撮鉄用」として販売されて
いました。
※フリーターンの新モデルはクイックシュー付のSH-707E、撮鉄用もマルチアームIIIとなりました。

FREE TURN HEADはフリーがつくので自由度が高いイメージですが、自由雲台(Ball Head)
と同じ感覚の自由ではありません。 
FREE TURN HEADの構造を理解すると、その特長的な自由が分かってきます。

3Way Headにおける上下のPanと左右のPanの機能はそのままで、TILT調整がない2Way雲台のようです。
WITH TILT CONTROLとわざわざネームプレートに表示しているようにTILTの調整も出来るのですが、その方法が予想外でカメラ台を回転させる事で実現しています。



@パンハンドル
Aティルト調整ツマミ
Bエレベーター クランクハンドル
C雲台レバー
Dカメラ台

3Way Headは上下、左右、傾きをそれぞれ「独立」して調整しますが、
FREE TURN HEADでは上下、左右、傾きを全て「連動」しながら調整する儀式が必要です。

@パンハンドルAティルト調整ツマミC雲台レバーを緩め、カメラのファインダーを覗いたまま
カメラを支え@パンハンドルを縦横無尽に動かしアングルを決めます。

3Way Headではカメラとパンハンドルの位置関係は固定ですが、FREE TURN HEADではカメラと
パンハンドルの位置関係はケース バイ ケースでバラバラなのです。
そのクセの強い操作方法から玄人好みの雲台だと思います。



EXCELLA4雲台は上下・左右のパンが@パンハンドルのみで調整出来ます。
上の画像のように二重の割り締め方式になっており、パンハンドルを締めると締め幅が少ない
上下パンが先に固定され、さらにパンハンドル締めていく事で左右のパンが固定されます。
固定状態からパンハンドルを軽く緩めれば左右パンのみ調整が可能となります。

Aティルト調整ツマミは上下のみの固定またはフリクション調整用となっています。
上下アングルが変えられる程度の適度なフリクションを与えておけば、
@パンハンドルで上下左右に自由自在に被写体を追うことが出来るのです。

水平出しが不要な設置場所では、ワンハンドルで上下左右の調整出来るので素早い操作が可能でとても便利です


水平出しが必要な設置場所では、上下、左右、傾きを全て「連動」して水平に調整する儀式を済ませば、簡単にパノラマ撮影が出来るのも大きな特長です。

水準器を取り付けてカメラ台を回転させてみます。



360度どの位置でも水平が出ている事が分かります。

250DX IIの3Way Headで水平出しをして、雲台を360度回転させてみると・・・



水平出しをしたところから雲台を回転させると水平ではなくなります。
パノラマ撮影や素早い動作が必要なスポーツ撮影に便利なのがフリーターン雲台です。


EXCELLA4雲台や三脚は国内で作られており、雲台やエレベータークランクハンドルの
MADE IN JAPANが誇らしげに見えます。

小型ながら品質を感じる操作感と質感のある作りが好きです。

この雲台はユニークな操作性が合うか・・・合わないかで評価が正反対となります。
使いこなせればこの上なく便利なのですが、この雲台の仕組みが理解できない人には
とても不便なものになりますので、中級者以上の方にお奨めです。

SLIK MASTER FREE TURN HEAD

FREE TURN HEAD Specification
Platform Diameter: 55mm
Bottom Diameter: 44mm
Height  : 130mm
Maximum Load:  5kg
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight  : 815g
Price : 8,300yen

大型のフリーターン雲台(FREE TURN HEAD)です。
大口径望遠レンズに対応しています。

大型のマスター雲台と小型のエクセラフォー雲台を重ねてみました。
フリーターン雲台の大きさの差がよく分かります。



パノラマ撮影用にプラットホームに角度表示があります。


45゜毎に刻みあります。0゜と90゜の表示しかありません。
0゜-90゜-0゜となっています。



所有している中の長玉SIGMA 50-500mmを取り付けてみまみした。
最大荷重は5kgですので、まだ余裕があります。


シングルのパンハンドルを緩めて左右のパン、さらに緩めて上下パンまで
スムーズに動かす事ができます。



大きささの割りにはスリムですが、重さは800gを越えていますので、
やはり大型クラスの三脚が適切です。

SLIK 3-Way Pan Head SH-705 SH-706

3ウェイ雲台のSH-705(右: 500g)
一回り大きいSH-706(左: 640g)

SH-705 Specification
Platform size:  48 x 65mm
Height  : 90mm
Maximum Load:  5kg
Lateral tilt:  +90°/-20°
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight :  500g
Price : 8,100yen

SH-706 Specification
Platform size:  65 x 65mm
Height  : 95mm
Maximum Load:  5kg
Lateral tilt:  +90°/-20°
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight :  640g
Price : 10,300yen


スリックの中級グレードの標準的な3ウェイ雲台で、いたって真面目に作られたモデルです。
プラットホームの前側が丸く削られているのは、大口径レンズに対応するためで、
大きなプラットホームのためカメラネジの前後可動できるようになっており、
バッテリーパックやタテ位置グリップが接触しないようになっています。

SLIKのカタログはハンドルグリップは樹脂製の60g仕様で記載されていますが、
所有している雲台はゴム製なので80gと重くなっています。

標準クラスは当然として200mmクラスの望遠までカバーする万能タイプです。
大口径対応とは言っても、重量級のレンズは無理があります。


SLIK 3-Way Pan Head SH-806

SH-806 Specification
Maximum Load:  5kg
Height:125mm
Platform Diameter: 50x65mm
Bottom Diameter: 44mm
Lateral tilt:  +90°/-5°
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight:  675g
Price : 18,400yen

Carbon 814EXの雲台はSH-706、上位機の814PROも同じSH-706でしたが、
2006年にSH-806を採用し814PROIIにバージョンアップしています。

このバージョンアップした雲台は評判が良く、そうなると試したくなりますので
814EX IIにする予定で入手したものです。



プラットホームにはPan、Tilt、Vertical用の3つの水準器を装備。



正面から見るとスゥイングの中心軸がオフセットしている事が分かりますが、
カメラネジはセンタコラムの軸上になっています。


コマ締めによる固定方式となっており、スゥイングハンドルとチルトハンドルは
ネジピッチ、ネジ長も共通です。
ハンドルはコンパクトで、ゴムグリップは太く握りやすい形状になっており、
SH-706より全体的にスムーズに動き、固定時の感触も良好です。


パンストッパーは丸形ノブで、雲台底部には可動式のパン用角度プレートがあります。

 
左:SH-806 + 814EX , 右:SH-706 + 814EX

プラットホームを比較すると、SH-706は60×63mm、SH-806は50×65mmと小さく、
重量はSH-706の640gに対しSH-806は675gと35g増となっています。

HUSKYやGITZOの3Way雲台のように、センターポールの中心とチルト軸、スゥイング軸の
中心を揃えるタイプの雲台は全高が高くなってしまいます。
SH-806もSH-706の95mmから30mmアップとなっています。

Carbon 814EXの雲台無しの重量は1500gで、雲台はその半分の750gまでが
適正重量となりますので、675gのSH-806は最適な雲台です。

北米モデルはクイックシュー付のSH-806Eもラインナップされていますが、
2008年の日本モデルはクイックシュー無しのSH-806のみでしたが、
2010年3月から国内でも販売が開始されました。


SH-806+814EXでの縮長は605mmとなり、航空機機内持込サイズを超えてしまいます。
パンハンドルせばプラットホームをより傾ける事が出来るので縮長は570mmとなりますが、
プラットホームは自由に動いてしまいますので何らかの固定が必要となります。

SH-706より明らかに剛性は高く、操作感も優れていますので標準クラスの3ウェイ雲台として
で一番気に入っています。

SLIK 3-Way Pan Head The Professional 2047

The Professional Specification
Maximum Load : 10kg
Height : 145mm
Platform Diameter : 82x90mm
Bottom Diameter : 60mm
Lateral tilt : +90°/-45°
Vertical tilt : 90°/68°
Pan : 360°
Weight : 1855g
Price : 25,000yen

ザ プロフェッショナル雲台はGITZO 5型やハスキーに対抗する大型雲台です。
構造的にはハスキーを模しており、重量もGITZO 5型 G1572よりも重くなっています。


500mmの望遠での構図決めもやり易く、固定時の位置ズレも微小で、
プロ用として十分な性能を持っています。

ザ プロフェッショナル雲台
ザ プロフェッショナルII 雲台
SH-909
と進化しています。

SH-909はパンストッパーのアルミ製ノブがネジと接着されているため、
使っているうちにノブだけ外れて、パンが固定されたままになります。

私の知っている同タイプ2台のうち1台に発生していますので、
仕事で使う道具としては改善して欲しいポイントです。

初代は六角ねじの頭にノブを嵌めるタイプなので、
こちらの方が遥かに信頼性が高い設計で、
20年使っても問題なしです。


ザ プロフェッショナル雲台は
Tilt、Vertical用の水準器を装備。


望遠レンズに絶対的な安定性を求める時に、安心して使えます。
2kg越えの重量級級の機材を使う人にお薦めです。

 

SLIK 3-Way Pan Head ABLE 300ST

300ST Specification
Maximum Load:  5kg
Height:95mm
Platform
size: 65 x 52mm
Bottom Diameter: 40mm
Lateral tilt:  +90° Swings 90 Degrees to the Left
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight:  535g
Price : 4,900yen

SLIK ABLE 300シリーズの300ST 3ウェイ雲台です。
同シリーズの廉価モデルですが、私は意外にも優れモノだと思っています。


左:ABLE 300ST + 814EX , 右:SH-706 + 814EX
雲台取付基部のサイズはSH-706と同等で、その上の構造が異なっています。


チルト操作はハンドルですが、スゥイングハンドルはなくノブによる固定となります。


スイングは0度(横)〜90度(縦)という範囲のみになっており、
水平出しは2Way雲台と同様に脚の調整によって行います。

プラットホームをストッパーに当て固定すると高い剛性感があり、
これが優れた点の1つです。


スゥイングハンドルがなくノブになっている事で、ホールディングして
三脚バッグに入れる時にスゥイングハンドルを外す必要がありません。
スピーディな収納が可能な事が優れた点の2つ目です。

ボールヘッド並みに軽量な3ウェイ雲台です。いや2.5ウェイでしょうか。

Velbon PH-460 Magnesium 3-Way Pan Head 
Specification
Maximum Load:  *kg
Height:109mm
Platform size: 85 x 55mm
Bottom Diameter: 50mm
Lateral tilt:  90°/15°( Swings 90 Degrees to the Left)
Vertical tilt:  90°/60°
Pan:  360°
Weight:  620g
Price : 19,000yen


Carmagne 630/640用のマグネシウム製の3way雲台です。
大口径レンズに対応できるようにプラットフォーム前部が抉られています。


パンストッパーのノブは大きく握りやすいものです。
チルト用ハンドルはゴム製の太いもので、操作性は良好です。


カメラネジのロックナットはレバー式になっています。



上方向にチルトしていくとパンストッパーのノブに当たります。
レバーは力が入りやすいのですが、軽量化のためか無垢ではないので
強く締めようとして力を入れすぎると破損しますので要注意です。


PH-460等の3way雲台で良く行われるショートレバー化をしています。
移動時もレバーはそのままでケースに収納できるので便利です。

SLIK BALL HEAD SBH-100

SBH-100 Specification
Platform Diameter : 42mm
Bottom Diameter : 33mm
Height : 62mm
Maximum  Load: 2kg
Pan: 360°
Weight : 100g
Price : 3,900yen


TRAVEL SPRINTに標準装備されている小型軽量の自由雲台です。

割り締め方式でプラットホームはコルク貼りで、回転ディスクはありません。
割り切った仕様で実測でも100gと超軽量なボールヘッドです。

縦位置を使わなければ、最大荷重の2kgでもどうにかいけますが、
1kgあたりだと不安はありません。

組み合わせる三脚も軽量なSPRINTシリーズがベストです。

SLIK COMPACT BALL HEAD 2110

2110 Specification
Maximum Load:  2kg
Height: 75mm
Platform Diameter: 40mm
Bottom Diameter: 35.5mm
Weight:  130g
Price : 3,000yen

小型自由雲台ではピカイチの強度と発売当時の「山田久美夫氏」の
レポにあり、300mm F4クラスで使えると書かれています。


割り締め方式で、フラットホームは回転ディスク付となっています。
SBH-100より高さがあり、ボール径は小さいのですが、
クランプ側は肉厚があり固定力は問題ありません。

後に小変更されPRO-MINIに標準装備され、2012年2月にSBH-110として発売されました。

XILETU B-23 Cima pro  
 
Specification
Maximum Load:  5kg
Height: 64mm
Ball Diameter: 23mm
Bottom Diameter: 30.5mm
Weight:  100g

SLIK SBH-100サイズで高品質なBall Headです。
固定ネジの感触、しっかりとした固定力、
精度の高いボールからくるスムーズな動き、
どれもXILETUのブランドに見合ったものです。



クイックリリースクランプではないので、
直接カメラを固定する場合はDSCなら問題ありません。
DSLRはクイックリリースクランプを使うのが良さそです。

Leofoto LH-25

Specification
Maximum Load:  5kg
Height: 65mm
Clamp: 25mm
Ball Diameter: 25mm
Bottom Diameter: 36mm
Weight:  171g (w/o QL plate)

アルカスイス互換クイックリリースプレートを常用しており、
それに対応するクランプ付き小型自由雲台を買い足している中でも、
トップレベルの固定力と剛性を持っています。


Leofoto MT-01とベストマッチの雲台です。
小型化を優先し、クランプ幅が25mmですが、
見た目以上に固定力があります。


 
固定力はDSLRでも全く問題ありませんので、
フルサイズ用の自由雲台としてお薦めです。

Andoer  mini ball head

Specification
Maximum Load:  5kg
Height: 65mm
Clamp: 30mm
Ball Diameter: 25mm
Bottom Diameter: 40mm
Weight:  181.5g (w/o QL plate)

ルカスイス互換クイックリリースクランプ付き小型自由雲台の中でも
コスパに優れたモデルです。


Leofoto LH-25とほぼ同じサイズになっていますが、
削ぎ落とされていないので、どこか洗練さが欠けています。
締め付けの感触はLH-25の方が上です。


クランプ幅30mmで、ノブも水準器なしで高級仕上げ、
ボールクランプのノブもマットブラック塗装仕上げです。


 小型自由雲台の入門用としてお薦めです。

SLIK Ball Head 2114

2114 Specification
for 35mm SLR+200mm, MEDIUM FORMAT CAMERA + STD.LENSES
Maximum Load:  5kg
Height: 100mm
Platform Diameter: 55mm
Bottom Diameter: 50mm
Weight:  300g
Price : 5,500yen

このBALL HEADは、SLIKではバル(=バリアブル)自由雲台と呼んでいます。
発売された当時、大型雲台に採用されていたコマ締め方式を採用しています。
SLIKの中型シリーズでは最軽量の300gとなっています。

Carbon 814EXにもちょうど良いサイズと耐荷重も5kgなので、
SH-706(640g)と付け替えれば、1790gの軽量三脚になります。

中型の自由雲台としては軽く、固定レバーの感触もしっかりしています。
縦位置では小型雲台よりは剛性は高いのですが大型雲台には及びません。



せっかくのコマ締め方式ですが、コマを固定するカムのプロファイルがイマイチで、
固定と開放の中間のフリクションコントロール領域がないのが残念です。

QZSD Ball Head 02

QZSD-02 Specification
Maximum Load:  15kg
Height: 95mm
Ball Diameter: 36mm
Platform Size: 50 x 40mm
Bottom Diameter: 50mm
Weight:  370g (w/Quick Release Plate )
Quick Release Plate Weight:  40g

QZSD Qing Zhuang Shi Dai 轻装时代
Poor Mans Ball Headと呼ばれています。

入手は\2,560($23.99) と激安価格でしたが、
倍の値段でも良いくらいの質感です。

大きさはSLIK 2114と同等クラスですが、
ボール径は36mmと大きくなっています。

Arca-Swissタイプのプレート付きで、
中華製のArca-Swiss互換プレートも安く、
カメラごとの専用プレートまであります。


Carbon 814EXとも良く合うサイズです。

フリクションコンロールも独立してできますので、
メインの固定ノブと組み合わせれば、
機材に合わせたコントロールが可能です。

Minette Super Lock 60

Super Lock 60 Specification
Maximum Load:  6kg
Height: 108mm
Platform Diameter: 60mm
Bottom Diameter: 60mm
Weight:  500g
Price : 12,000yen

高級高精度自由雲台と言えばArca-Swissだった時代に登場したのが、
Minette Super Lock 60で、国産の高精度自由雲台として注目されたモデルです。

それ以前の国産高精度自由雲台としては、コニカのアルカスがあり、一部では
その作りの良さには定評がありましたが商業的には成功しませんでした。

ARUKASはSAKURAを逆さにしてネーミングしたそうですが、Arca-Swissを模したような
ネーミングが多いに災いしたとものだと思います。

Minetteはマイネッテ写真用品[(株)みなと商会]のブランド名ですが、
(株)みなと商会が倒産し、ブランドはどこにも引き継がれませんでした。

Super Lock シリーズは、40 50 60のモデルがあります。
Super Lock を含めた自由雲台の評価が高まった後で、
KTSが部品製造し、梅本製作所が組立したモデルだと公表されました。

このモデルには基台がありませんのでギア付エレベーター三脚に装着した場合、
締め付けレバーの位置を好きな場所にする事が出来ません。
ギアが無い三脚であれければエレベータを回せば問題になりません。

プラットホームは回転ディスク付で、モデル名が示すように60mmあります。
丸形ノブだと締付量が分かりませんので目盛付のものがありますが、
Super Lockは独特な「T形レバー」になっておりり締付量が一目で判断出来ます。

そのため、フリクションコントロールが無くても、固定位置からレバーを少し動かす
だけで適度なトルク感を保ったまま位置決めが可能となります。



ほぼ完璧なボールヘッドではありますが、とても残念な処があります。
「高精度機械加工」により無垢材から削りだしていると謳っていますが、
上の画像の縦位置セット用のU字スロットのR部分と直線部分のつながりに段差があり、
はっきり言って「高精度機械加工」が売りなのにお恥ずかしい加工レベルです。

R部分をドリルで穴開けしてから、斜めセットしてからチップソーで削っていますが、
穴開け精度も切断位置決め精度も悪いです。

他の部分は一目で精度の良さが分かるだけに、見る人が見れば分かる下手さがあるのは
ちょっと悲しいです。ちなみに部品製造をしていたのはKTSのようです。

ヘッドを45度以上傾けようとすると途中で動きが重くなります。
これはArca-Swissのようにボールが楕円になっており、U字スロットを使用するような
縦位置時にカメラが急激に倒れ込むのを防止しています。

これは安心して使えるので良い工夫です。
まぁ悪い方に考えると加工精度が悪くて真円度が低いのかもしれませんが。


KTSは廃業してしまいましたが、
同等品がSLIKから発売されています。

HANSA PRO-65ZS

HANSA PRO-65ZS Specification
Maximum Load:  6kg
Height: 120mm
Platform Size: 90 x 50mm
Bottom Diameter: 65mm
Weight:  550g
Price : 23,100yen

「信頼できる道具」として売られていたハンザのプロ・シリーズです。
ハンザと言えばカメラ用品の老舗中の老舗の近江屋写真用品です。
残念ながら近江屋写真用品は倒産しましたが、ブランドは残っています。

Minette Super Lock 60(右)がベースとなっている事は一目瞭然です。


プラットホームは、梅本製作所が開発した「ハイパープレート」が採用されています。



ボールは真円になり、どの方向への動きも精度を感じる気持ち良さがあります。
Minette Super Lock 60で問題にした縦位置用のU字スロット部分はR部と直線部が
連続となりました。


各部は肉抜き加工により軽量化が図られ、角部は面取り加工が施されています。
このレベルなら間違いなく高精度雲台です。
アルミポリッシュの地肌は、加工も好きなメカ好きには最高の雲台です。

このボールヘッドは不満もなく、全てに満足出来るモデルなので、
小さいボールヘッドに問題を感じている人にお奨めです。


HANSAは倒産しましたが、OEM元の梅本製作所で引き続き販売されています。
プラットフォームの形状が異なりますが、
同等品がSLIKから発売されています。

DPOTORPADP SYS90

Specification

Maximum Load:  15kg
Height: 110mm
Ball Diameter 45mm
Bottom Diameter: 60mm
Weight:  511g (w/o QR Plate)


個人輸入した大陸製ボールヘッドです。
価格はQZSD-02と同じくらいの$25.79でした。

ボール径36mmのQZSD-02と比べると、ボール径45mmの
SYS-90はワンクラス上のサイズです。


Super Lock 60と同じクラスです。


フリクションコントロールはありませんが、
大型のボールロックノブの感触も良いのですが、
固定時に位置ズレがあり、長玉でファインダーで
見ているとズレは
顕著です。
Super Lock 60は気になる位置ズレはありません。

パンロックは固定も含め良好です。

DPOTORPADPグリーンのボールヘッドは、
Super Lock 60レベルの精度はありませんでした。

INNOREL U44
 

Specification

Maximum Load:  20kg
Height: 108mm
Platform : Panoramic
Ball Diameter 44mm
Bottom Diameter: 58mm
Weight:  520g (w/o QR Plate)
Weight:  43g (QR Plate)

SYS-90とは明らかに違う精密感が漂ってきたので、
思わず欲しくなった雲台です。


一見するとクイックリリースプレート用のクランプのようですが、
実はクイックリリースプレート用のパン用クランプになっています。


クイックリリースクランプには4個の水準器を使って、
水平出しをする事でボールヘッドながら、

簡単にパノラマ撮影を可能にしています。


優れたクイックリリースクランプではありますが、
思わぬ落とし穴がありました。

クイックリリースプレートの脱落防止ネジの間隔が26mm以上ないと、
取付ける事ができません。

所有しているクイックリリースプレートDPG50uは取付けられませんでした。
L型クイックリリースプレートなどでは問題になりません。


ボールクランプノブは滑り止め加工され、
内側リングはフリクションコントロールになっており、
操作性および固定力は文句なしです。


ボールの加工精度も仕上げも良好です。


品質、操作性、機能ともに思った通り良く、
買って大正解でした。

 

FEISOL CB-70H

Specification

Maximum Load:  38kg
Height: 125mm
Platform : QRC-50
Ball Diameter 70mm
Bottom Diameter: 95mm
Weight:  1050g (w/o QR Plate)


中型のSLIK2114と比べると、その大きさが良く分かると思います。


所有している500mmを載せてみました。
レンズとカメラで3440g、安定感と操作性は抜群です。

クイックリリースクランプとクイックプレートは、
アルカタイプですので、汎用のクイックプレートが使えます。

 

Manfrotto JUNIOR GEARED HEAD 410

410 Specification
Includes .25'' and 3/8'' screws
Platform size:  120x70mm
Height: 130mm
Maximum load:  5kg
Lateral tilt:  -30° / +90°
Vertical tilt:  -90° / +30°
Pan:  360°
Weight:  1220g

イタリア製とは思えないしっかりとした作りで、デザインはイタリアらしくて良いです。
大柄なのでGITZO G312に組み合わせて使用します。



このManfrotto JUNIOR GEARED HEADは、スポーツ撮影には向きませんが、
長玉やブツ撮りには重宝する優れものです。

なぜスポーツ撮影に向かないかといえばノブを回す事でギア駆動し、
雲台を動かしているため、素早い動きは苦手なのです。

重い長玉を載せた状態ではノブを回すのも結構疲れてしまいます。
それはまるで指の筋トレのような感じです。
そのため今でも新品同様です・・・ ダメじゃん。

10年近く前に購入したのですが、マイナーチェンジを繰り返して未だ現行品!
購入した当時は、こんな雲台作るなんてManfrottoは凄いと思っていましたが、
似たような感想の人は多かったのでしょう。

精密な位置決め可能ですので、3ウェイ雲台や自由雲台で位置決めに不満が
あるようでしたら、このギアヘッドを試してみる価値はあります。

Velbon Super Arm-7

Specification

Maximum Load:  *kg
Screw geared column prevents sudden drop of the column if it is not completely locked.
Camera Screw:  1/4-20 - 3/8-16
Column Outside Diameter: 32mm
Column Travel: 210mm
Platform size: 65mm
Height: 110mm
Weight:  1230g


Verbon DS-3では対応できない重量級機材用で、コラムはVelbon Mark-7なので、
剛性も精度も良いものです。
Gitzo ではSide Armとして商品化されています。


スライド量は210mmありますのでアングルの自由度はかなり高まります。



このように真上から花を撮ることが出来ます。


ローアングルで撮るには、対応できる雲台が必要となります。
上の写真のように
Velbon Mark-7の先端にGITZO G1275Mを装着し、カメラをセットします。

俯瞰撮影には欠かせないアクセサリーです。
現行品ではありませんので、長い間探して入手しました。

現行品はフルサイズのDSLRは厳しいかもしれません。
中級機には良さそうです。

Velbon Macro Slider
Specification
(W)117mm x (D)192mm x (H)62mm
Weight: 680 g
Slide stroke (Forward: 65mm, Side: 26mm)
Maximum Load:  g


マクロ撮影にあると便利な微動装置です。
ちょっと左右に動かしたい時にも使え、前後は調整は撮影倍率の調整やピント
合わせにも使えて便利です。


パイプレールをガイドとしていて弱そうに見えますが、
見た目以上に剛性がありますので問題はありません。


マクロスライダーを使って最大倍率で撮影、
雑草の小さい花がマクロで見ると別世界です。

 

 

 F's Impression

右から
HANSA PRO-65ZS (550g)
Minette Super Lock 60 (500g)
SLIK Ball Head 2114 (300g)
SLIK COMPACT BALL HEAD 2110 (130g)
SLIK BALL HEAD SBH-100 (100g)

ボールヘッド、パンヘッド、ギヤヘッドと代表的な種類を紹介しました。
世間には面白そうなヘッドが他にもいろいろあります。

「雲台の選び方」なのに選んでないじゃないか・・・と言われそうですが、
迷って選ん末に買ったものが紹介したヘッド達なのです。

最初は安い三脚と雲台で気にしなければ何とも思わなかったことが、
ある日から急に気になり出して、調べてみれば多くのメーカーから
同じクラスで三脚や雲台がいろいろ出ていて迷ってしまいます。

自由雲台の300gクラスと500gクラスではサイズはそれほど変わりませんが、
大きいボールとロック機構から得られる安定感は大きく変わってきます。
ですから使う機材に合わせて雲台を選択する事も重要です。



マクロ撮影に三脚はとても便利です。
フリクションをかけて位置決め出来る自由雲台なら
3ウェイより短時間でフレーミングが出来ます。


庭先での一枚です。



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