|
Prologue
所有しているボールヘッドは防塵・防水対策はされてはいませんので、
感触が悪くなってきたらメンテナンスが必要です。
メンテナンスする時に考えなくていけないのは、自動車のゴムブーツ付き
ボールジョイントは、ガタが無くスムーズであれば良いので境界潤滑ですが、
カメラを支えるボールヘッドはさらに確実に固定する必要がありますので、
潤滑とは逆の摩擦も重要だということです。Slik
Ball Head 2114 take apart
割締め方式の雲台はコマ締め方式に比べ単純な構造で分解も容易です。
コマ締め方式でもバル自由雲台は簡単に分解が可能
です。
たとえば摺動時に動きにムラがあってフィーリングが悪かったり、
砂や泥などの異物を噛み込んでしまった場合には分解清掃が必要です。
※使用していて問題を感じない場合は、分解の必要はありません。
最初に六角穴付きセットスクリューを六角レンチを使って外します。
後は手だけで簡単に本体を分解できます。
上の画像は分解直後のものです。
茶色いグリースは劣化が認められるものの粘度も残っていました。
グリースが帯状なっている部分は、パン(回転)する際に摺動するからです。
ボールを固定する「コマ」です。
テーパー部分にボールが擦れた痕がありますが、グリースはほとんどありません。
コマの周囲に少しグリースが残っています。
コマとカムの間にある摺動コマです。
このパーツは固定レバーの回転運動をコマの上下運動に変換するために
スムーズに動ける事が重要なので全体にグリースが塗られています。
固定レバーにも軸全体にグリースが塗られています。
軸の凹んだ部分がカムになっています。
ハウジングは軸受け部分のみグリースがあります。
摺動してアルミ粉が混ざり灰色になっていますが、
酷使してないので全く問題にならないレベルでした。
古いグリースをアルコールで脱脂処理します。
コマも脱脂処理しました。
全てパーツをアルコールで脱脂処理します。
固定レバーの軸も古いグリースを除去します。
ハウジングの軸受け部分もきれいにします。
Lubricate
固定軸のカムにグリースを塗ります。
ここは単位面積あたりの荷重が高い部分ですが、固定力はカムの変位量で
決まりますので潤滑だけ考えて塗れば良いです。
カムに接触する凸にグリースを塗ります。
ハウジングの固定軸の接触部分にグリースを塗ります。
貫通穴のグリースは固定軸(レバー)組付後にはみ出た部分は拭き取ります。
雲台をパン方向に回転させた時に摺動する部分ですので、
余裕を持ってグリースを塗っておきます。
ここは汎用のリチウム石鹸グリースを使用します。
ボールへのグリースはミディアムの固さグリースを薄く伸ばして塗布しました。
この部分は固定がメインとなりますので、ボールとケースが直接接触して
摺動しない程度の「油膜状態」が理想です。
F's
Impression
雲台はスムーズに動いてキッチリ固定出来る事が大事です。
ボールヘッド組立後に最終チェックとして、雲台を各方向に動かしどの方向でも
スムーズである事と、プラットホームを45度傾けて固定しカメラの代わりに
体重をかけて動かない事を確認します。
もし問題があるようでしたら、満足出来るまで調整を行います。
スムーズなボールヘッドは気持ちが良いものです。
※全てのボールヘッドが簡単に分解出来る構造ではありません。
※内部に樹脂製パーツがある場合は、樹脂用グリースを使用して下さい。
当方は一切修理は請け負っておりません。
ジャンク品は健康に良くありません。
良品を買いましょう〜
|