[2010.9.26] |
Canon
AE-1
PROGRAM |
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1981年4月発売の2代目AE-1
シャッター:電子制御式横走りフォーカルプレーンシャッター
ファインダー:ペンタ固定アイレベル式 [0.83倍 視野率 94%]
露出:中央部重点平均測光
露出制御:TTL開放測光シャッタースピード優先式AE/TTL絞り込み、定点合致式マニュアル測光
使用電源: 4LR44、4G-13
巻上げ:巻上げレバー120度、予備角39度(小刻み巻き上げ可能)
※モータードライブMA,ワインダーA,A2による電動自動巻き上げ可能
大きさ:141×88×48mm
重量:565g
発売当時の価格:¥60,000−(ブラック\3000高)
Prologue
2010年 Canon 50Dを購入した同僚から預かったカメラです。
奥さんが高校時代に使っていたカメラを久し振りに触ってみたという事で、
掃除したけどスポンジがボロボロで・・・という事でした。
カメラの動作は露出計も含め問題ありません。
持病のシャッター鳴きの症状は出ていました。
Repair
ボロボロになっているスポンジです。
これではシャッターを切るたびに汚れてしまいます。
新しいモルトプレーンに取り替えます。
ヒンジのモルトプレーンはベトベトという感じでした。
裏蓋用のモルトプレーンも加水分解でベトベトになっていました。
裏蓋側に分解したモルトプレーンがこびり付いています。
クリーニング後です。
加水分解したモルトプレーン
古いモルトプレーンを除去してクリーニングした状態です。
新しいモルトプレーンを貼り付けます。
溝にあった古いモルトプレーンを除去しました。
モルトプレーンを除去が終わった状態です。
2mm幅にモルトプレーンを切り出します。
新しいモルトプレーンを貼り付けます。
モルトプレーンの貼り方はこちらを参考にして下さい。
モルトプレーン交換が完了した状態です。
シャッター鳴きの修理です。
「カメラGET!」2002年VOL.16で紹介されている方法で治療します。
カメラのマウントエプロンを外します。
ボディマウントの左上のネジを外しますと、
ボディ内部への貫通穴が現れます。
A-1系用の注油管です。
樹脂製のギアに影響がない油を使用する必要があります。
※低粘度で注油量は微量である事が重要です。
軍艦部はプラ製なので、金属部分を磨きます。
錆びと汚れがとれ、少し輝いてきました。
アクセサリーシューも錆びています。
小さな自己満足の世界ですね。
F's
Impression
モータードライブMAを装着した姿はA-1と間違えそうです。
新型となったAE-1Pはシャッタースピード優先+プログラムとなり、
一眼レフ入門機としてコストパフォーマンスはさらに高くなりました。
当時のニューフェイス診断室でのキヤノンの説明で、プログラムは
素人向けに開発された事が書かれていますが、プログラムモードは
後に広く普及しプロ用の機種にも搭載されるようになりました。
新技術を入門機に搭載する流れはEOS kissに脈々と受け継がれています。
NikonのELやFEは絞り優先で、露出補正ダイヤルが装備されており、
中級者以上のユーザーでも使いやすくなっていますが、
AE-1では逆光補正が唯一の露出補正方法となっていました。
AE-1Pには露出補正ダイヤルが装備されているのかと思っていましたが、
装備されていなのでポジを使っていた人は苦労したと思います。
上位機のA-1は逆光補正ボタンはそのままに、しっかり露出補正ダイヤルが
装備されており、両優先+プログラムとその多機能ぶりは感動ものです。
A-1ほどの機能は必要ないけど、一眼レフを「使って」楽しみたい人から
AE-1Pが支持され活躍した結果は、シリーズ累計900万台という数字から
も見えてきます。
今回のようにデジタルカメラを買ってから銀塩カメラにも興味が湧いてくるのは、
とてもうれしい事だと思います。
たった36枚のフィルムの中の1枚1枚を、考えながら写す経験はデジタルカメラで
写す時にも役立つに違いありません。
当方は一切修理は請け負っておりません。
ジャンク品は健康に良くありません。
良品を買いましょう〜
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