アダプトールマウント
Zoom Lens
Specifications
形式:QZ-210M
焦点距離:85-210mm
開放F値:4.5
レンズ構成:9群12枚
最小絞り:22
最短撮影距離:2.0m
ズーム方式:回転式
フィルター径:55mm
フード:内蔵
重さ:640g
最大径X全長:64.5mmx145mm
価格:\48,000
発売時期:1978 製造終了:1980
Prologue
今では全くもって人気のないレンズです。
Nikon F2Aを手にした当時に購入した(買ってもらった)のは、
Zoom Nikkor 80-200mm/f4.5で高校時代に活躍しました。
その当時の定価で比較しても驚きの半額以下です。
今ではZOOM Nikkor 80-200mm/f4.5も人気が無く、
新品で買った者には悲しい値段となっていますが・・・。
このレンズとの出会いは数ヶ月前に遡ります、
ニコンマウント付きで\3000円で店頭に並んでいました。
アダプトール1マウントは欲しいのですが、
レンズは欲しくないしマウントだけに\3000は・・・
と見送っていました。
猛暑の夏が過ぎ秋雨前線が停滞しだした頃、
中古カメラ店には先客が1人だけでしたので、
いつもよりゆっくり品定めをしていました。
そこの店はプロのバイヤーやカメラマンも多く、
常連さん同様に店員さんと会話を楽しんでいます。
その日の先客は一際大きな声で話していましたが、
マナーとしていつものように無視していました。
しかし嫌でも話が耳に入って来る訳ですが、
eBayや東欧圏の話をしています。
今年はもう3回もプラハに行っている・・・
プラハと言えば、あの大御所です。
それでも無視して品定めを続けていると、
逆に不審がられ、こちらが見られいるようでした。
そんな視線を感じつつ、売れ残っているこのレンズが
いつの間にか値下げされたのに気が付きました。
値段はなんと\1000ポッキリでした。
これでタムロンの交換式マウントで持っていなかった
アダプトール1マウントレンズが揃いました。
アダプトール2と何が違うのか知りたかったのと、
レンズキャップにはアダプトール2とあったので、
本当に2ならマウントだけでも損はないと思ったのです。
[ adaptall mount ]
タムロンのHPを見てもアダプトールとアダプトール2マウントの説明はありません。
レンズはアダプトールとアダプトール2でデザインが大きく変わっています。
TAMRON ZOOM MACRO 85-210mmのアダプトールマウントです。
TAMRON CF MACRO 35-70mmのアダプトール2マウントです。
マウントは変わっていないようです。
絞り連動部分の位置も変わっていないようです。
レンズのマウントを見ても差が分かりません。
TAMRON ZOOM MACRO 85-210mmの絞り連動部分です。
ローラーに精密な感じが漂っています。
TAMRON CF MACRO 35-70mmの絞り連動部分です。
ローラーがブラック塗装されていますが、
作りはコストダウンされている感じがします。
レンズ側のアダプトールとアダプトール2マウントの違いは分かりません。
となるとアダプトールマウント自体に違いがありそうですが、
付属していたマウントはアダプトール2でしたので詳細は未だ不明です。
アダプトールマウントにアダプトール2マウントは装着可能という事は分かりました。
[1]
意外にもD-SLRにも似合っています。
凹凸のない鏡銅のデザインですが違和感はありません。
レンズのデザインが自己主張していないからでしょうか。
このレンズはカビや汚れもなく、前からレンズを覗くと
美しい多層コーティングを見ることが出来ます。
この時代のタムロンで感心する事があります。
ズームやフォーカスのグリースがしっかりしている事です。
同時代のNikkorではグリース抜けの個体が多いので、
タムロンが安かろう悪かろうではない事が分かります。
[2]
Zoom Nikkor 80-200mm/f4.5は直進ズームです。
このレンズは回転式ズームとなっています。
その回転式の特徴を活かした機能があります。
TAMRON ZOOM MACROの名前が示すように、
マクロレンズとしても使うことが出来るのです。
85mmにてロックピンを押してロックを解除する事で、
最短撮影距離2mからマクロ領域に入る事が出来ます。
最短撮影距離2mからズームリングが距離環となり、
最短の1:3でレンズ先端から15cmまでのマクロ撮影が可能です。
これは嬉しい機能です。
今は往年のレンズがいろいろ選べる時代です。
そんな中で気にも留められないこのレンズですが、
こうやってよく見れば決して安物のレンズではなく、
真面目に作られたレンズだったと思います。
その証が「タムロンレンズは5年間の長期品質保証です。」に表れています。
すぐれた材質、耐久性を重視した構造・・・銀塩カメラ用MFレンズの良き時代の話です。
MFレンズでは壊れるようなパーツは滅多にありませんから、
設計上のミスがなければ、加工精度、組立精度が良い日本製鏡玉であれば、
5年間は難なく使えたと記憶しております。
AF以降は、保証期間は1年間へと1/5に短縮されていきます。
コストダウンの為にそれなりの材質、そこそこの耐久性となった訳で、
これは全てのメーカーにあてはまる事です。
古いレンズは壊れていなくても、カビが繁殖しているものが多い気がします。
[manual]
2009年1月のお正月気分も抜けない頃、都内のカメラ屋さんの取説箱から発掘しました。
こんな物まで売っているのは凄いと思いました、私のようにメジャーでないレンズを持つ者には
貴重な資料になったりするものてす。
このページのアクセスが予想以上に多いので、1978年の取扱説明書を紹介します。
当方は一切修理は請け負っておりません。
ジャンク品は健康に良くありません。 良品を買いましょう〜
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