[2007.7.16]

[2007.8.13]

Sigma Zoom γ
Multi-Coated
 
21-35mm F 1:3.5-4 

 

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Sigma Ultra Wide Zoom Lens (1979)

ニコンのD系のデジタル(DX)フォーマットにおいては、
銀塩の35mm判に換算して1.5倍の焦点距離の画角になってしまいます。

銀塩時代のMFレンズをDXフォーマットで使う場合には、
広角レンズなのに標準レンズ並の画角になってしまうのです。

私が使うMFの広角ズームというと、
世界初の本格的なワイドズームレンズ
Zoom Nikkor 28-45mm f:4.5 (1975)があります。

このレンズと同じ焦点距離は、他には見あたりません。
レンズはデザインも写りも気に入っていますが、
撮影している時に「もうちょっと広角側」が欲しいと思う事もあります。
もちろんデジタル(DXフォーマット)での話ですが。

そこでMFの広角ズームとして、SIGMA 21-35mm F:3.5-4を入手しました。
このレンズは「超」広角ズームレンズとして、1979年に発売されたものです。

20mmではなく 21mm という画角に限界への挑戦を感じさせます。

シグマで当初は18-50mmの開発を行ったがうまくいかず、
21-35mmを開発し、この最初のモデルは5年間販売されました。

その後性能を向上した次モデルの21-35mm F3.5-4.2が発売になり、
なんとそれから7年間販売されたロングセラーのモデルとなりました。



Specifications
21-35mm f:3.5-4(初代)
レンズ構成:7群11枚
最小絞り:22
最短撮影距離:0.5m
フィルター径:72mm
フード:Fix
重さ:435g
最大径X全長:*mmx*mm
価格:\65,000

発売時期:1979


金属フードが付いていますが、レンズ保護の為なのか固定式となっており
取り外しは出来ません。
このフードはあまり効果がなく、ハレーションが派手に出て泣き所になっています。

フィルターサイズは72mmです。
しかし、72mmのレンズキャップではフードと干渉するので、
純正のアダプタリングにより72→67mmに変換されています。

前玉が飛び出ているので、フードをしたまま取り扱えるような
現在主流のレンズキャップは装着できませんので、
72mmのフィルターを付けてから使うしかありません。

Lens Test_1
試し撮り 2007.7.15
台風4号の台風の目の中に入った時の、一瞬の晴れ間に撮影しました。
画角の変化はそれほど大きくはありませんが、結構使いやすそうなレンズだと思います。


21mm
Sigma Zoom γ Multi-Coated 21-35mm f:3.5-4

1/1000 f/5.6
Nikon D200

 
24mm
Sigma Zoom γ Multi-Coated 21-35mm f:3.5-4

1/1000 f/5.6
Nikon D200


28mm
Sigma Zoom γ Multi-Coated 21-35mm f:3.5-4

1/1000 f/5.6
Nikon D200


35mm
Sigma Zoom γ Multi-Coated 21-35mm f:3.5-4

1/1000 f/5.6
Nikon D200

Lens Test_2

平面歪みチェック
壁に貼り付けた方眼マットを、D200にて最短撮影距離から画角を変えて撮影しました。


21mm
Sigma Zoom γ Multi-Coated 21-35mm f:3.5-4
f:3.5
Nikon D200
樽型の歪みがあります。


24mm
Sigma Zoom γ Multi-Coated 21-35mm f:3.5-4
f:3.5
Nikon D200
樽型の歪みがあります。


28mm
Sigma Zoom γ Multi-Coated 21-35mm f:3.5-4
f:3.5
Nikon D200
樽型の歪みがあります。


35mm
Sigma Zoom γ Multi-Coated 21-35mm f:3.5-4
f:3.5
Nikon D200
樽型の歪みがあります。

21-35mmの全域において樽型の歪曲収差がみられます。


上の画像は21mm撮影したものを樽型歪曲収差の補正を行ったものです。
デジタル処理の特徴を活かすことで、古いレンズであったとしても歪みを
補正した画像を簡単に得る事が可能となります。

Lens Test_3
画角を21mmに固定して、絞りをり変えて撮影しました。
赤枠部分を原画から切り出しています。





f:3.5


f:5.6


f:8


f:11


f:16


f:22

開放f:2.8ではコマ収差による流れがあり、画質も甘く周辺の光量落ちも顕著です。
前玉が67mm(72mm)と大きいので、ある程度のコマ収差があるのは当然かもしれません。 周辺光量落ちも、広角レンズである事に加えてデジタルカメラでは、
撮像素子の構造上の周辺光量落ちが、フィルムカメラより出やすいのが辛いところです。

周辺光量落ち対策として前玉が大きいのだと思いますが、
このレンズはデジタル用の設計ではありませんから、
周辺光が撮像素子に光が垂直に入る設計にはなってはいません。

2段絞ったf:5.6では、コマ収差の流れは残っているものの画質の改善がみられ、
周辺の光量落ちも改善されます。

f:8まで絞り込む事で、コマ収差もなくなり画質もシャープなものとなり、
周辺の光量落ちも気にならない程度だと思います。

f:11,16,22では画質はf:8からほとんど変化なく、
周辺の光量落ちに差がある程度です。

F's Comment
全域で樽型の歪曲収差があり、
開放では画質の甘さが目立ってしまいますが、
絞りを増すごとに画質が改善されていき、
f:8まで絞れば全体にシャープな画質を得られます。

極初期の広角ズームレンズという事を考えれば、
コンパクトボディですし固定式の花形フードと
なかなかの力の入った意欲作だと思います。

中古市場での値段も手頃な上に、
金属ボディで操作感も良好ですので、
使える一本だと思います。

 

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