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KING SEIKO


[2013.9.16]
revised [
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KING SEIKO
4500A
10 Beats Per Second

Prologue
10振動のLORD MARVELにハマり、
次なる高振動時計が欲しくなりました。


45KS



SEIKOの手巻きの10振動となると、
45系は最も有名なムーブメントです。


入手したのは45KS(King Seiko)ノンデイトです。
手巻きでありながら、エッジが立っている竜頭
シミのない文字盤は、湿気による腐食なし
ムーブメントもサビていない可能性が高いハズです。

ところが、実は不動だったのです。
45系には致命的な弱点がある事は有名な話で、
不動はガラ箱行きを意味するのです。
知っているのになぜ?
単純な思い込みによるミスでした。

High risk and High precision

ゼンマイが切れています。
45系に限らずゼンマイが切れは珍しくありませんが、
強力なゼンマイを搭載する45系の発生率の高さは、
他に比べて突出しています。


ゼンマイの破断面から、徐々に亀裂が入っていき、
最後は首の皮一枚程度でつながっていた事が
分かります。

高性能な45系の性能の維持には、それに合わせた
適切なメンテナンスが必要なのです。


ゼンマイが切れるだけなら、現存する45系はもっと多く
稼働していたことでしょう。
香箱にダメージさえなければ・・・


強力なゼンマイが切れた時に、暴力的破壊力によって
香箱の歯が欠けてしまうのです。

歯車が3枚無くなっています。
せん断されているので、スパッとした切断面です。

銘ムーブメントの悲しい現実は、
交換部品が無いことです。

Road to recovery
期待していた時計師さんの手持ちガラの中にも、
45系の香箱はありませんでした。

部品取り用の45KSか、45GSを手に入れるのが、
再生に残された方法になります。

そもそも稼働できる個体が少ないだけに、
再生への道のりは平坦ではありません。


数か月も探し回って、どうにか45用の香箱を入手し、
時計師さんに預けました。


文字盤が綺麗なので、期待していたのですが、
ムーブメントは錆びもなく、綺麗に輝いていました。


このムーブメントは、個体番号が入っています。
この刻印があるのは、45KSクロノメーターの特徴で、
同じムーブメントだとAoさんが推測されています。

F's Comment

メダリオンはとても良い状態を保っており、
裏蓋にも目立つようなキズはありません。
ベースが良いので磨き仕上げもしていません。


エッジがシャープなゴールドキャップのケース
竜頭の状態も良好です。


この45KSで驚いたのは、その精度の良さです。
製造されてから44年も経っているのですが、
普段使いで素晴らしく歩度が安定しています。
ここまで精度が出ている時計は初めてです。


長い時間をかけて復活した45KSは、
お気に入りの時計に加わりました。

当方は一切修理は請け負っておりません。

ジャンク品は健康に良くありません。
良品を買いましょう〜

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