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Prologue
SPの美しいクロームボディも良いのですが、
私はブラックボディの方が好きなのです。
次はSPFのブラックが欲しいと思っていました。
ある日の事、ふと目にとまったのがESです。
SPはSPOTMATIC
ESはELECTRO SPOTMATIC
名前からしてSPの電子化バージョンのようです。
ボディには目立つようなスレもアタリもなく美品です。
中古は、欲しい時が買い時との先人の教えの通り購入しました。
調べてみると1971年発売で、世界初の絞り優先AEを採用し、
ELECTROの意味は電子シャッターの事である事が分かりました。
使い方が分からないので、日本のペンタックスのサイトを探しましたが、
SPとLXのみ掲載されているだけでした。
英語版の取扱説明書は米国と英国のサイトにありましたので、
それぞれダウンロードしました。
米国版はHONEYWELL PENTAX、英国版はASAHI PENTAXになっています。
SPECIFICATIONS
Type
35mm TTL-metering single-lens reflex camera with focal-plane electronic shutter for automatic exposure control.
Film and Picture Size
35mm film (20 or 36 exposures), 24mm X 36mm.
Standard Lenses
Super-Multi-Coated Takumar 50mm f/1.4 and 55mm f/1.8 with fully automatic diaphragm. 7 elements in 6 groups.
Distance scale: 0.45m (1.5 feet) to infinity.
Filter size: 49mm. With depth-of-field scale.
Shutters
TTL-metering electronic shutter for automatic exposure control + mechanical shutter for manual speed selection.
Horizontal run focal plane shutter.
Electronic shutter speeds: Unlimited variation between 8 and 1/1000 sec.
Mechanical shutter: B, 1/60 (X), 1/125, 1/250, 1/500 & 1/1000 sec.
Viewfinder
Eye-level pentaprism finder with Fresnel lens + crossnucroprism. 0.89 X magni-
fication with 50mm lens. -1.0 dioptry. Shutter speed calibration, TTL meter needle and battery "LIVE" mark in the viewfinder screen.
Focusing
Turn the distance scale ring until the subject image in the viewfinder comes into sharp focus. Minimum focusing distance: 0.45m (1.5 feet).
Reflex Mirror
Instant return type.
Film Advance
Ratchet type rapid wind lever. 10" pre-advance and 160" advance angle. With
convenient "Cocked" indicator.
Film Rewind
Rapid rewind crank.
Film rewind button on base of camera body releases film from take-up
spool for rewind.
Film Exposure Counter
Automatic re-set type.
Cocked Indicator
A red disk appears in a small window alongside the shutter release
button when the shutter is cocked, and blacks out when it is
released.
Lens Mount
42mm thread (Pentax-mount)
Flash Synchronization
FP + X contacts for conventional flash cord connection. X contact on
hot shoe for convenient flash cordless connection.
Exposure Meter
CdS-activated TTL meter for open-diaphragm and stop-down reading.
Light measurement range: EV1-18 with ASA 100 film.
ASA speed scale: 20-1600.
Exposure Factor Control Dial
1x for normal exposure, 2x, 4x, l/2x for intentional over- or
under-exposure.
Battery
6V silver battery (Eveready #544).
Fifm Type Indicator
(black & white), (color daylight), (color tungsten) and
EMP. (empty).
Dimension
Width 143mm (5.6") x height 98mro (3.86") x thickness 91mm
(3.6").
Weight
940gr.(2lb.1oz.)
SPとESを並べて比べてみると、軍艦部ではペンタ部の形が異なります。
その理由ですがESはX接点のホットシューが設けられているからです。
目立つ処ではSPのセルフタイマーがある場所が、ESでは電池室になっています。
セルフタイマー無しとは、思い切った設計だと思います。
並べると気が付く背の高さの違いは底部の厚みの差にあります。
コンパクトなSPに電子シャッターや絞り優先AEの機能を追加した訳ですから
この程度のかさ上げで収まった事は凄い事だと思います。
Battery
Reassemble 4LR44
ESには電池が入っていませんでした。
電池の種類をマニュアルで確認すると、
eveready #544 6V silver battery とあります。
当然の事ながら水銀電池は生産中止なので代替品かアダプタが必要です。
調べた結果、#544の代替は同形状の4LR44と判明しました。
手持ちの4LR44です。
と言ってもNikon EL2から取り出したものです。
ところがEL2のSWが入ったままだったので、電圧が限りなく0Vになっています。
夜なのでカメラ屋は閉まっているし、コンビニじゃ無さそうだし・・・
DC電源を繋ぐか・・・と思案していましたが、
代替電池を調べた際に、4LR44をリビルト
分解するという事が数多く紹介されていました。
面倒だけど今やるなら4LR44の分解しか手はありません。
ESでは+極が電池室の奥側になりますので、
4LR44の+端子はそのまま再利用します。
−端子側のカシメを丁寧に開いていきます。
全周外すと端子が外れてきます。
紙管ごと電池を取り出します。
電池を入れ替えます。
新しいLR44を押し込んで、古い電池を押し出し4個全て交換します。
電池のケースを切り詰めます。
ESはボディアースなので、失敗して電池をショートさせない為です。
切り詰めたケースに紙管に入った電池を入れます。
ショート帽子の為、金属外皮より紙管が少し出るようにします。
電池室と電池のクリアランスがかなり少ない為、
薄いテープにて金属外皮の外周を固定します。
紙管と金属外皮の固定は特に必要ありません。
紙管の中に電池が少し奥まって入っていますが、
ボタン電池の外周側は+なので紙管で絶縁させる為に必要です。
ESの電池蓋はバネ電極なので、奥まったボタン電池とのコンタクトも問題ありません。
ESに電池を入れた状態です。
このまま電池蓋を閉て作業完了です。
ESはAUTOメーターはoK、マニュアルシャッターはもちろんokでした。
SPからESへの進化をしみじみと感じました。
ブラックでまとめると精悍な感じが漂います。
ESには開放測光対応のSMCレンズがしっくりきます。
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