[2010.12.14]

revised [*.*.*]

OLYMPUS OM-1

 

     Link
  F'sトップ 
 Cameraトップ 
 
  Maitani's works.
The world's smallest and lightest SLR


シャッター:機械制御式布幕横走りフォーカル プレーンシャッター
ファインダー:ペンタ固定アイレベル式 [視野率 97%]
露出:中央部重点測光
露出制御:TTL開放測光
使用電源: H-D型水銀電池 [MR-9]
巻上げ:巻上げレバー150度、予備角30度 
大きさ:136x83x50mm 重量:540g [RECORDATA BACK 3付]
発売当時の価格:¥39,500−

Prologue

ジャンク棚で見付けたOLYMPUS OM-1+ZUIKO 50mm/1.8です。
2010年はOLYMPUS PEN-DがヒットしPEN系はそれなりの人気ですが、
OMシリーズは盛り上がっていません。



かなり汚れており状態の悪さはこれまで入手した中でも、
最悪の部類かと思います。


ペンタプリズムにはモルトの劣化による腐食が起きており、
下側が見にくくなっていました。

 Repair 

露出計の動作確認をしようと思い電池を入れたところ、端子がグラグラに
なってしまいました。
赤丸は頭が飛んで残ってしまった樹脂ネジです。


端子の固定には絶縁のため樹脂ネジが使われており、
劣化により頭が飛んでいました。
ここはかなり低レベルの設計です。


代替出来る樹脂ネジがなかったので、透明なプラネジを購入して加工しました。
右が購入時のネジで左が加工後です。


これで電池ホルダーの端子も固定出来ました。
でも、またいつの日か壊れるでしょうね。


次はペンタプリズムの修理のために、軍鑑部を分解します。


トップカバーを外すと思ったよりも状態が悪くなっていました。


フラッシュ接点を外すと、モルトプレーンのカスがボロボロになって散らかります。


ペンタプリズムの劣化して浮いた蒸着膜を取り除くだけで、
再蒸着やプリズム移植は予定なしです。


ペンタプリズムの腐食した蒸着膜を除去したので界面の線はありますが、
かなり見やすくなりました。



異常に動きが重いシャッター速度設定リングの修理のために、
マウントを分解します。


シャッター速度設定リングの内側には黒い樹脂製のリングが嵌っています。
樹脂製のリングには露出計への連動糸が固定されており、
内側にはギアがあってボディ側のギアと噛み合っています。


これがボディ側のシャッター速度連動ギアです。
※分解時はシャッター速度設定リングの位置と、ボディ側ギアの位置がズレ
 ないように注意して作業する必要があります。


赤い部分の糸は、レンズの絞りリングに連動して動きます。
青い部分の糸は、シャッター速度リングに連動しています。


シャッター速度と絞りの連動糸はASA感度設定ダイヤルの下にあるユニットに
接続されているのですが、この可動部分の固着がシャッター速度ダイヤルの
異常な重さとなっていました。


最後に裏蓋のモルトを新しいものに貼り替えます。

 F's Impression 

このOLYMPUS OM-1はアダプターを使って電池を入れたところ、
露出計はも生きており精度も問題ないレベルでした。

通常ならシャッター速度ダイヤルの場所がASA感度設定ダイヤルなので、
最初は戸惑いました。

レンズ先端に絞り環、中央に距離環、ボディ側にはシャッター速度環が
狭い場所に並んでいますが、ローレットの種類や径が違うので手の感覚で
操作出来るように工夫されています。

ファインダー内には露出計以外の情報表示は
ないシンプルなものなので、
シャッター速度か絞りは先に設定して、どちらかを優先として使う事になります。

特筆すべき小ささと軽さだと思いますが、使えばミラーアップ動作のショックの
少なさとシャッターの静かさも印象的です。
米谷氏がLEICAを強く意識して作ったというのも納得です。

当方は一切修理は請け負っておりません。

ジャンク品は健康に良くありません。
良品を買いましょう〜



 

                                   著作権 本ホームページおよび画像の著作権はS_Fに帰属します。
                          このホームページの一部または全部を許可無く複製、改変、転載することはできません。
                                                                              Copyright S_F. All Rights Reserved.