[2010.02.03]

revised [****.**.**]

AF NIKKOR 24-120mm 3.5-5.6

 

     Link
  F'sトップ 
 Cameraトップ 
 
  レンズの分解清掃(クリーニング)
 
Lens Repair [Cleaning]

Specifications


Ai AF Zoom Nikkor 24-120mm F3.5-5.6D(IF)
画角:84°-20°30′
明るさ:F/3.5-5.6
レンズ構成:11群15枚
絞り羽根枚数:7枚
最短撮影距離:0.5m
全長:80mm
最大径:79mm
フィルター径:72mm
質量:550g
価格 :\84,000円

広角から望遠までをカバーする5倍ズームレンズ。
ガラスモールド非球面レンズと複合型非球面の2枚の非球面レンズを
使用することで、諸収差をバランス良く補正。
コンパクトで携帯性に優れ、スナップや旅行など幅広い撮影に対応。
(レンズの機構上、撮影距離によって焦点距離が短くなる。) 
Nikonカタログより

Prologue
前回分解したのはヨンサンハチロクは使われずカビの住まいになっていました。
2010年最初の患者はAi AF 24-120mmはF100と一緒に水を被ってしまったものです。

F100は重症ですが、こちらは軽症です。

最近気になる事があります。比較的新しい超音波モーターの廉価モデル18-55mmの
超音波モーター不良によるAF不動ジャンクを「多く」見かけます。

モーターが不動になり放棄されたもので、補修部品もあり修理可能ですが廉価レンズ
ゆえに市場価格を修理代が上回る→買い換え=「使い捨て」にて続々とジャンク界へ。
廉価品でも、修理費は安い部品代+高価格人件費=それなりの修理費になります。
「安物買いの銭失い」は今も昔も変わりありません。

Ai AF 24-120mmは、AF-S、VRが搭載されていないのです。
機械式カメラ同様に電子化されている部分が少ないゆえに修理しやすい!

このレンズはカメラボディモーター駆動ですが、フォーカススピードに不満はありません。
Gレンズと違い絞り環があるのも大きなポイントです。

水没ではないのが救いですが、内部に水滴跡が残っています。
撮影は出来ますが、気分良く撮影するために分解清掃を行います。


Repair

前面のリングナットを外します。
コストダウン化の流れと伝統の作りの良さが同居している世代なので金属製ナットです。


ところが前群は3本のネジで固定されて、コストダウンが見えてきます。
上の画像ではレンズの汚れが分かりませんね。


細かい汚れがかなりいっぱいありますが、水の跡も分かります。


前群背面レンズに3ヶ所の水滴跡がありました。


クリーニング後は、クリアで綺麗になりました。


前群を戻して、小ネジで固定します。


後群にも水滴跡があります。
どちらかと言えば後群の方が影響が大きいのでこちらも分解清掃します。


マウントを外さなくてもレンズガードを外す事で後群にアプローチ出来ました。


最後部のレンズを外します。 このレンズは汚れや異常なしです。


内部のレンズをレンズサッカーで取り出します。
サイズはギリギリという感じでした。


結局外したレンズは問題ありませんでした。


後群ユニットを外します。
前群同様にネジ3本で固定されています。
水滴跡があったのは中群の背面レンズでした。


簡易防水や防滴仕様のレンズなら多少の雨でも大丈夫かもしれませんが、
古いレンズ愛好者には雨や水は大敵です。




クリーニングした部分です。


Lens TEST


赤枠部分を原画から切り出しています。

Nikon D200+AF NIKKOR 24-120mm

画角:24mm

f:3.5
樽型の収差は盛大に出ていますが、開放から周辺までしっかりとした画質です。


f:5.6
開放に比べ周辺部がシャープになってきます。


f:8
周辺の光量落ちも気にならないレベルになります。


f:11
f:8とほぼ同等です。

画角:50mm

f:4.5
糸巻き型の収差となり、24mmより周辺で少し甘く感じますが問題ないレベルです。


f:5.6
絞る事で周辺部が少し改善しています。


f:8
解像度に不満はなくなります。


f:11
f8とほとんど変わりません。

画角:80mm

f:5.3
糸巻き型の収差となり、周辺で少し甘くなっています。


f:8
絞る事で周辺部が少し改善しています。


f:11
解像度に不満はなくなります。

画角:120mm

f:5.6
糸巻き型の収差、周辺はやや甘めです。


f:8
周辺部が改善しています。


f:11
解像度に不満はなくなります。





左:24mm 右:50mm

 

左85mm、右120mm

24mmはタル型の歪曲で50mmでは糸巻き型歪曲となり、
85mmと120mmでは弱い糸巻き型歪曲です。

レンズテストから解像度は開放から高く、ズーム全域で歪曲があり
開放付近では大きめの周辺光量低下がみられます。

Hood
Ai AF 24-120mm専用バヨネット式レンズフード HB-11

専用レンズフードは新宿のヨドバシにて\1181(実質\1062)で購入しました。
もちろん新宿の中古カメラ店も見ましたが新品と大差ない価格(\800)でした。

ヨドバシのアクセサリーショーケースの一番前、すなわち店員側から最も離れた
場所に置かれていました。よくぞ残っていてくれたという気持ちでした。


基本的にズームレンズでは広角側に合わせる必要がありますので、
24mm用レンズフード形状なのでフード効果は望遠側にはありません。

F's Impression

絞り環からのズーム環への曲線がユーモラスで、かわいい系のレンズです。


24mmからの5倍ズームで開放から解像度が高く、太く短い鏡胴は携帯に優れ、
使いやすい標準ズームです。



当方は一切修理は請け負っておりません。

ジャンク品は健康に良くありません。
良品を買いましょう〜



 

                                   著作権 本ホームページおよび画像の著作権はS_Fに帰属します。
                          このホームページの一部または全部を許可無く複製、改変、転載することはできません。
                                                                              Copyright S_F. All Rights Reserved.