Nikkor 50mm F:1.4

 

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  レンズの分解清掃

Normal Lens


Ai-Nikkor 50mm F1.4 [上・右下]
当時の価格3.6万円
画角  46度
最小絞り  16
最短撮影距離目盛り 0.45m
フィルター径 52mm (P=0.75)
大きさ(全長×最大径) 50×64mm
重量 255g



Ai-Nikkor 50mm F1.4S [左下]
当時の価格3.6万円
画角  46度
最小絞り  16
最短撮影距離目盛り 0.45m
フィルター径 52mm (P=0.75)
大きさ(全長×最大径) 40×63mm
重量 250g

目で見た状態に近い遠近感を持つ標準レンズで、
f1.4は標準レンズの中の標準に位置していた。

手持ちのAi Nikkorの50mmは5本、そのうちF1.4は3本となっている。

レンズテストにて実力も確認済み。


[Feb 2007]
温暖化の影響で冬がなくなりつつある2007年2月のある日の事、
Nikkor 50mm F1.4SをFAに装着し撮影前の機材チェックをしていました。

プレビューが効きません。
その一週間前の撮影では何ら問題はありませんでした。

まずFAのプレビューボタンの動作確認をしたところ、
ボディの自動絞り連動レバーの動作は快調で問題なし。

次にNikkor 50mm F1.4Sの自動絞り連動レバーの動作確認をしたところ、
重い・・・とにかく渋い・・・
絞りが原因と判明しました。


[1]
絞り羽根に油が付き粘っています。
古い方2本のNikkor 50mm F1.4は距離環のグリース抜けはありましたが、
絞りの粘りはありませんでした。

グリースが抜けるのが良いか、油で絞りが粘るのが良いかと問われれば、
グリースが抜けても撮影は出来るので前者が良い気がします。

距離環のグリースアップを行ってきたNikkor 50mm F1.4ですので、
今まで分解した事がない絞り部分に挑戦です。

このAi-Sレンズは距離環のグリース抜けはありませんので、
絞り羽根のみの修理となります。

Aiタイプの絞り羽根の先端は前玉側になるようになっていたのですが、
Ai-Sタイプは後玉側になっています。

[2]
先端リング固定用のすりわりネジを外します。


リングがネジになっていますので回して外します。



[3]
前玉を外します。
前玉は嵌っているだけですので、ただ抜くだけです。

[4]
絞り機構が見えてきます。


[5]
自動絞り連動レバーのバネを外します。


[6]
絞り機構を固定している2本のネジを外します。
可動部分であるので緩み止め処理がされていますが、
難なく外す事が出来ました。



[7]
絞り機構を外します。
デリケートな部分ですので丁寧に取り外します。
ボディ側から見た絞り機構です。


[8]
背面側のガイド溝が付いたプレートを外します。
絞り羽根が出てきます。

[9]
7枚の絞り羽根を外します。

[10]
脱脂洗浄をします。
超音波洗浄機を使うのが本筋だとは思いますが面倒なので、
フィルムケースにアルコールを入れて絞り羽根を洗います。




脱脂洗浄前


脱脂洗浄後


[11]
絞り羽根を軸側プレートに組み込み、その上からガイド側プレートを乗せて
ガイド溝に絞り羽根のガイドピンを入れていきます。




[12]
絞り機構をレンズに戻しますが、ただ戻すのではなく
ガイド溝が付いたプレートにあるピンを自動絞り連動レバーと
連動するように位置合わせが必要です。

[13]
前玉を嵌めます。

[14]
先端リングをねじ込んで取り付けます。
最後にすりわり付きネジで固定して終了です。

[15]
修理完了です。
絞りが綺麗になっていますね!

 

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