レンズの分解清掃
Telephoto
Lens
NIKKOR-P・C AUTO 105mm F2.5 [1973]
当時の価格33,000円
画角 23度
最小絞り 32
最短撮影距離目盛り 1.0m
フィルター径 52mm (P=0.75)
大きさ(全長×最大径) 78×66mm
重量 435g
[Prologue]
HARD OFFにて入手。
前後のキャップもない状態で、ジャンクキャビネットに並んでいました。
ジャンクキャビネットから取り出してもらってチェックします。
外観は距離環にスレがあるものの、アタリはありません。
絞り環はAiタイプに純正改造され、通称カニ爪こと絞り連動爪も外され、
化粧ビスを取り付ける純正改造もされています。
ジャンクの理由は、後玉の内側に小カビがある事です。
家で気が付いたのですが、前玉と後玉のコーティングに傷がありました。
[1]
クリーニングしながら各部をチェックしていきます。
前玉
後玉
距離環、絞り環ともにスムーズでガタなしです。
この時代のニコンのレンズはグリースが抜けは持病ですし、
マウントのスレからみてかなり使われておりますので、
コンディションからもオーバーホールを受けていると思われます。
後玉の外側の鏡筒に青い物が固着しており、
水では落とせずエタノールには溶けましたので
油性塗料系の固着物だと思われます。
何でこんなものがレンズまで回り込んでいるのか?
ひょっとすると内部も・・・
[2]
マウント周りのネジを外して鏡筒を抜き取ります。
予想通り内部まで青い固形物が回り込んでいました。
エタノールで溶かして落とします。
[3]
後玉のカビを取るため、後玉を外します。
ドロドロではありませんが、内部が青く色付いています。
[4]
後玉(写真右下)を取り外し、カビを取り除きます。
[5]
付属していなかった前後レンズキャップは、ヨドバシで現行品を購入しました。
純正フードはHS-4はNikkor-Q AUTO
135mm/3.5とも共用なので、
すでに所有していますが、新たに中古カメラ屋を廻って購入しました。
HS-4は意外と見付けやすいフードかもしれません。
[6]
絞り環の連動爪を外し、化粧ビスを取り付けた純正改造です。
[7]
Nikon D200 + NIKKOR-P・C AUTO 105mm F2.5 [1/125, F2.5]
ちゃむを室内で撮影しまた。
ピントがあった部分では毛の一本一本までシャープでありながら、
そこからゆるやかにボケて、背景まで気持ち良い感じになっています。
Nikon D200 + NIKKOR-P・C AUTO 105mm F2.5 [1/100, F2.5]
曇天の屋外でミィちゃんを撮影しまた。
顔はピントがきていますが、体はホンワリした感じに写っています。
[8]
手間と費用を考えたらフード付きの良品を買った方がお得でした。
しかし、気になった中古品は迷わず買っておくのが鉄則です。
報道系カメラマンに人気があったレンズですが、
ポートレイト撮影の結果でも予想以上に良い描写で、
買っておいて良かったと思うに充分な実力を持っていました。
[9]
絞り環の連動爪をニコンのサービスにて取り付けてもらいました。
現物合わせするので、カメラとレンズを一緒に持ち込む必要があり、
時間は10分くらいで費用は\452(税込み)でした。(2008/1)
F Ftn + 105mm/2.5 + HS-4です。
これも良いですねぇ。
[?]
このNIKKOR-P・C AUTO 105mm
F2.5については「謎」があります。
レンズの外観は初期型のNIKKOR-P AUTO 105mm
F2.5と同じ鏡筒で、
銀塗装の部分が黒になり、コーティングが変更されているだけに見えます。
しかし前期型の最大絞りはF22ですが、このレンズはF32となっています。
F32というのは後期型の新設計のレンズと同じなのです。
マルチコートであり、最大絞りも後期型と同じという事から、
新設計の後期型ではないかと思い調べましたが、
結論が出ていませんので調査続行です。
新宿ニコンSCで連動爪取付の際に確認したところ、
光学系は前期型との見解でした。
当方は一切修理は請け負っておりません。
ジャンク品は健康に良くありません。 良品を買いましょう〜
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