MD-3 Motor Drive

 

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Trouble

ヤフオクで数々のカメラ・アクセサリーを買いまくるGICO氏からの依頼です。
安物買い買いの銭失)い
という諺をものともしない姿勢です。

なんと彼はジャンク好きのジャンキーだったのです。
ジャンクのMD−3が2台もあるのです。
MD−2ではありません・・・

デジタル全盛の今、モータードライブ?
もう少し経てばもっと安くなるのに待てば〜という私の言葉は
馬の耳に念仏のようです。

預かったMD−3はNOBU氏が来た際に、酒の肴にバラしました。
定番のギア割れです。
動かなければ、ただのジャンク
動けばモータードライブ

ギアは特殊だとGICO氏は言ってました。

ギアは
モジュール0.3
歯数 16
軸径 2mm
高さ 4.5mm
セットスクリュー M1.4 L=1.5mm

という仕様で、規格品です。

こんな部分になんで樹脂使うの?というのは万人の疑問でしょう。

他のギア同様に真鍮製のギアに交換します。
流石に全てが同一寸法のギアは入手出来ませんでした。

モジュールと歯数が合うギア真鍮製ギアを入手します。
ホブでギアを作るなんて面倒ですからね。

ギアの加工方法
1.入手したギアの高さは倍以上あるので、フライスでざっくり削ります。
2.削った端面を旋盤で面出しをします。
3.再びフライスでギアに止めネジ用の下穴を空けます。
4.そのまま位置を固定してタップでネジ穴を切ります。
5.止めネジは純正M1.4セットスクリューを使うつもりでしたが、
  M1.6だと思っていたのでM1.6にしてしまいました。(笑)
6.M1.6はナベネジしか手持ちがないので、ネジの頭の逃げを作ります。
7.ネジを短く切りつめます。
これで完成です。


ナベネジの頭が気になると思いますが、噛みあう巾は赤で示した2mmのみ
ですので、全く問題がありません。

私が設計するなら2mmはギアとして残りの部分は丸棒のままとし、
ネジ穴を長くとります。(セットスクリューを使用でね)



組み合わせると純正の様な仕上がりになります。(嘘)


動作確認をします。
F2への連動爪は回り、シャッターチャージします。
よしよし

シャッターが切れません・・・
あれ〜

F2のシャッターボタンではシャッターは切れます。

ガーン 連動ピンが動作していません。

F2のシャッターチャージが終わると、連動爪は回転しなくなるのでモーターの
回転は次にシャッター連動ピンのチャージを行い、 チャージが終わると同時に
シャッター連動ピンが押されます。

チャージ機構にマイクロスイッチがあり、モーターのON/OFFを 行っています。
このMD-3はこの連動ピンのチャージ機能が逝っていました。

夜中に原因を探るべく、いじり回すとトルクリミッターのような部品が気になります、
チャージ機構を知らべるには完全に分解しないといけません。
もうバラバラにです。

翌日GICO氏に確認を取ります。
どうせジャンクだし、もうどうなっても良い!
という言うなら躊躇せずバラしてみますよ〜

すぐにokの返事が来ました。

MD−3はパッと見たところ安い時計と同じような、 同時に多数の軸を組むという
総受け方式が取られているように見えます。
コストは安く出来ますが、組み直すには専用の機械や冶具が必要に なります。
職人は手で組めますけどね。
時計に比べれば巨大なので楽だとは思いますけど。


そして次の夜の事

さて巻き上げ連動爪を固定して連動ピンのチャージ機構を調べようとしたら、
何と言う事でしょう、今日はピンが出てきます。

MD−3もこのままじゃ「ヤラレル」と悟ったのでしょうか・・・

F2に取り付けて動作確認します。
単写、連写ともにバッチリです。

良かったね〜 GICO氏

関係者以外の方へ
ギアが欲しいと思われても、加工したギアはもうありません。
もちろん修理も請け負いません。

ジャンク品は健康に良くありません。
買い過ぎに注意しましょう〜
 

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