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Prologue 2015年夏休み、NEEWER ST-360をまたポチッとしました。 鳥撮りご用達雲台のひとつのジンバル雲台、 超望遠レンズで動く鳥を撮るのに向いており、 レンズとカメラの重心を雲台に合わせる事で、 超望遠レンズの重さを感じることなく撮れるそうです。 以前は特殊な雲台なので高価だったのですが、 数年前から中華ジンバルが出回りはじめ、 最近は部品代並の激安品が登場しました。 中華品だけに、半完成品を仕上げるつもりで、 いろいろ考えながら手を加えていきます。 Check NEEWERのジンバルヘッドST-360ですが、 開封してすぐには使ってはいけません。 見た目に、仕上げの悪さは感じられません。 アームはラバーコートされており、 触った感触も良い感じです。 ST-360 Specification Main Material: Aluminum alloy Base diameter: 49mm Maximum Load: 8kg Quick release plate: Arca Swiss compatible Size: 210(H)*70*210mm Tilt: 360° Pan: 360° Weight: 1055g すべてを分解すると、上の図ような部品構成になっていました。 続いて、各部品をチェックしいいきます。 問題点 1 パンニングノブ 切削粉が大量に付着していまが、これはビトイ。 ノブには成形時のバリがあります。 ↓ クリーニングします。 問題点 2 パンニングノブ 先端の処理がされていません。 ↓ 平面出し研磨加工を行います。 問題点 3 チルトノブ スラストベアリングが入っていますが、ワッシャーは汎用品でした。 平滑性に問題ありです。 ↓ スラストベアリング用のスラストワッシャーに交換します。 問題点 4 スイングアーム カラー スイングアームにはベアリングではなく、 樹脂カラーが入っています。 アームの軸穴に対して、外形が小さいためガタがあります。 ↓ 樹脂カラーを作り直します。 問題点 5 クイックリリースノブ 回すと「キーキー」と音がでます。 開口が狭く、プレート脱着が大変です。 水準器は不要なので取り外します。 ↓ ノブを分解して、グリースアップします。 ギリギリまで、クランプが開口するように調整します。 問題点 6 パンベース 回転にムラがあります。 パンロックすると、締め付けた分だけ傾きます。 ↓ 滑りの良い樹脂プレートか、スラストベアリングに交換します。 上部のネジとパンベースの間にベアリングを入れます。 コンパスは不要ですね。 Upgrade 問題点 1 & 2 パンニングノブ 直角を出してながら、平面研磨加工を行い、 ノブの成形時のバリは、カッターナイフで切り取りました。 問題点 3 チルトノブ (右) 交換部品 スラストベアリングと専用スラストワッシャーに交換しました。 問題点 4 スイングアーム カラー 左側の樹脂カラーを作り交換すると、ガタは減りますし、 動きもスムーズになりました。 ベアリングの方がもっと良さそうです。 ラジアルのニードルベアリングは、軸と穴のクリアランスの関係で、 無加工では使えなかったので、軸の方を加工しました。 ラジアル方向は、ニードルベアリングに変更し、 スラスト方向はフィルムワッシャーから、 滑りの良いPE製に変更しました。 問題点 5 クイックリリースノブ 水準器を取り外すと、調整用のネジが見えます。 ネジを取り外すと、分解出来ます。 可動部分に注油し、ネジロックを塗って開口幅を調整します。 問題点 6 パンベース ベースプレートとの接触面のフィルムワッシャーから、 PE製ワッシャーに変更すると、少し回転が軽くなりました。 続いてスラストニードルベアリング用にスペーサーと ダストカバーを作ります。 スラストベアリングとスラストワッシャーに変更したところ、 想定したスムーズな感触が得られました。 アームとベースプレートの固定とフリクション調整を兼ねたネジは、 ワッシャーと摩擦しているだけだったので、 PEワッシャーを入れてみましたが効果なし。 上側もスラストベアリングにすると、 下側のスラストベアリングとの組合せで、 クルクルとストレスフリーに回るのですが、 これでは落ち着きが無さ過ぎます。 上側を深溝玉軸受(ラジアル用)にして、 外輪のみアーム固定のワッシャーに接触させ、 内輪はベースプレートのネジで締め付けると、 掟破りのフリクションコントローラーとなります。 ※ラジアル用深溝玉軸受に、完全なスラスト方向の力を 加える事は破壊的な使い方です。 〜良い子はマネしないでね。〜 付属の3/8->1/4アダプターは、形状が悪く使えません。 小ネジの三脚に使う場合には、H-SA8を使えば飛び出ません。 F's Review 黄色部分に入れたベアリングとワッシャにより、 スムーズなジンバルヘッドが完成しました。 元々分解することは考えられていないので、 ネジやプレートの固定に瞬間接着剤が使われ、 白化は当たり前、ハミ出て山盛りのでしたので、 中華製は瞬間接着剤の対応も重要です。 https://youtu.be/TZT-Zraj1rU 半完成品から気持ち良く使える完成品へ、 アップグレード完了です。 Nikon D800とSIGMA 50-500mmにクイックプレートに取付け、 前後にスライドさせて、レンズとカメラの前後の重心を合わせ、 クランプの上下で全体の重心をチルト軸を合わせます。 3ウェイ雲台やボール雲台で、重量級の機材に合わせ フリクションを加えた時の動きとは違う世界です。 重量を感じさせない軽く滑らかな感触なので、 長玉で上下左右に動き回る鳥のような被写体を撮るのが、 体力を使わずに楽に出来ます。 使って納得のジンバル雲台です。 |
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