Nikon D-SLR  The Road of MF


[2006]
revised [
2015.06.13]

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  MFへの道
- D200 スクリーン交換 -

Prologue


1979年に買ったF2Aを使い続けていますが、
当初からカメラには社外製の楕円アイカップを付けています。


私が使う他のニコンのカメラも全て丸形の純正アイカップ
を取り付けています。

現在のカメラは角型のアイカップがほとんどですが、
どうもピッタリフィットのアイカップ愛用の私にはしっくりきません。

ピントも露出も自動なので構図だけ見られれば良い
というのが主流になりファインダーを凝視しないのかもしれません。

コンパクトカメラにはファインダー無しのモデルも多くなり、
モニターを見て撮影するスタイルが今や主流とも言えます。

ファインダーに目を凝らし、構図を決め、露出を調整し、
ピントを合わせるのに集中するのにピッタリフィットのアイカップは
私の必要アイテムです。

スクリーン交換出来ないデジタルカメラでは、
MFレンズでのピントの山が掴みにくいのが難点です。

[訂正]
なんと交換用スクリーンが発売されていました。(2006/9/8)
Katz Eye™ Focusing Screen for the Nikon D200
スクリーン交換マニュアルもあります。


Katz Eyeのスクリーンは生産中止となりました。(2015)
 
ファインダーを集中して見たいのに小さい角型のアイカップは
横から光りが入りますので、どうにもしっくりきません。

ニコンアクセサリーカタログを見ていると、
アイピースアダプタ DK-22
が角型→丸形への変換用に容易されています。

そのアダプタに丸形のアイピースをつければ良さそうだと
いう事に気が付きました。

[Neewer 22mm Rubber Eyecup]
2015年に入下したニコン用の接眼目当てです。

Amazonで見付け\712-で購入しました。
Neewerは米国通販メインの中華ブランドです。

Nikon用ですので、あっさり装着できました。
アイカップとボディの間のデザイン的なつながりが欲しいところですが、
実用的には何の問題もありません。
アイカップの固さは純正品より固めです。


背面から見ると、純正品のように収まっています。
縦位置でも使いやすい丸形はラインナップにありませんが、
縦位置撮影でも、それほど違和感はありませんでした。
ちなみに、反転収納は出来ません。

[DK-16 DK-20 DK-21]

D-SLR用のニコン純正の接眼目当てです。
左 DK-16 D70 標準品
中 DK-20 D70s 標準品
右 DK-21 D200 標準品

接眼側
世代が新しくなると、大きくなっています。


カメラ側
取付も世代が新しくなると、しっかりしています。

左 DK-16
中 DK-20
右 DK-21


上面から
世代が新しくなると、厚みが増しています。


形状は全て異なります。
デジタル用のアイカップは、まだ試行錯誤中ですね。

[DK-3 DK-4]

2006年8月の時点でカタログにあるフィルムSLR用の接眼目当てです。
DK-4 F3用
DK-3 FM3A用
の2種類を購入しました。

同じ値段なのなDK-3はビニールの簡易包装で、
DK-4は紙箱入りというのが気になります。

接眼側の形状は、ほぼ同じです。



カメラ側の形状は大きく異なります。


DK-3は下側の1/3がえぐられており、
上半分にはプラスチックとの一体整形になっています。

DK-4はフィルムカメラのアイカップそのものです。
金属製のリングも付いています。

[DK-22 Eyepiece adapter, Viewfinder Eyepiece]


DK-3、DK-4ともにネジは付いていません。
そこでアイピースが必要になりますが、
アイピースアダプタ DK-22にはアイピースは付属しません。

そこでアイピースが必要になるのですが、
ヨドバシの店員さんと、DK-3とDK-22を並べて話ししました。

FM3Aのアイピースありますか?
ありませんねぇ・・・

それでは視度補正レンズの「0」はありませんか?
ありました!

という事で視度補正レンズを購入しました。

[訂正]
てアイカップの一連の工作記事、楽しく読ませて頂きました。 
その中で視度補正レンズのゼロをアイピース代用(?)にする記述が出てきますが、
たぶんお気づきの通り、ゼロは度数+1ですので、 凸レンズになっております。
 -山根さんよりご指摘いただきました。(2007/2/18)-

[Nikon USA] Neutral とは+0の視度補正レンズの事です。
Neutral correction eyepieces do not replace the supplied standard eyepiece. 
The use of a neutral correction eyepiece will change the diopter value of the camera from minus one to zero.



取付の方法ですが、

アイピースアダプタ DK-22
     ↓
   アイカップ  DK-3
     ↓
     視度補正レンズ

という組合せになります。

視度補正レンズのネジ長が短い為に「ひと山」位しか締められませんが、
どうにか固定は可能です。

[F3 Eyepiece , FA Eyepiece]

注文しておいたF3アイピースとFAアイピースが手に入りました。


左 DK-22, DK-4, F3 EYEPIECE
右 DK-22, DK-3, FA EYEPIECE


[F3 Eyepiece]

F3アイピースを接眼ゴムとリングに分解します。


DK-4にF3アイピースリングをはめ込みます。


DK-4のバックアップリングを取り付けてからDK-22に組み込みます。
正当な組合せですから見た目もスッキリで違和感はありません。

[FA Eyepiece]

左 視度補正レンズ 0
右 FA EYEPIECE

視度補正レンズは金属リングのままですが、
FAアイピースはゴムモールディングされています。
(モールディングされているのでゴムは外れません)


気になるサイズについては同じです。
ネジ長も同じなのです。




左 DK-22, DK-4, F3 EYEPIECE
右 DK-22, DK-3, FA EYEPIECE
結論としては、DK-22とDK-4を組み合わせた方が良い感じです。

DK-22とDK-3の組合せの方が全長が短いので、
ケラレやすい眼鏡使用者はこちら組合せが良いかもしれません。

ただし、アイカップの形状からも分かる通り、アイカップを下から持ち上げる
ような力が加わると下側が外れ易いので要注意です。

[DK-3, DK-4]
D70とD200に取り付けた状態です。

D70ではモニターのケラレもなく取付可能です。


カメラボディとアイカップの間の感じも良いとは言えませんが、
思っていたより違和感はありません。


標準品のアイカップに比べると大きくなった分ボディから突出します。
撮影時の移動の際には引っかかりには注意が必要です。


D-SLRでもアイカップは折りたたむ事が可能です。

[DK-21]
D200標準の角型アイピースです。


[DK-3 + DK-22]
アダプタを介して取り付けた丸形アイピースです。


アダプタの厚み分(数o)程度手前になるので、ケラレが気になるかもしれませんが、
全く問題ありませんでした。


フィルムカメラですと、フィルム交換時に裏蓋がアイピースに引っ掛かるのですが
デジタルではその心配はありません。

ところが液晶モニターが見事にケラレます。

ケラレはモニターの上側の中央部分だけなので、
メニューの表示には支障はありません。



 
左 斜め上から見た状態
右 水平に見た状態

やや斜め上から見下ろす状態ではモニターが若干はケラレます。
とは言っても致命的という程ではありません。
水平な状態してモニターを見ればケラレはありません。

[DK-21M] [2006/9/9追記]

MFレンズでのピント合わせの「キレ」はイマイチです。
そこで最初検討したのですが、あまり評判が良くないのです。
アイポイントが遠くなってケラレる
クリアさに欠ける
拡大しても元の像の「キレ」が悪いのでは効果は?かな。
と思いつつ確認の為に購入しました。

D200用拡大アイピース(マグニファイングアイピース)です。
DK-21MなのにDK-21ベースではありません。
DK-16が付いています・・・何でかな?


DK-16の取付用の溝は垂直部分のみです。
DK-21MとDK-16を分解します。
D70で外れやすいと評判が悪かったDK-16ですので、DK-21Mに接着されています。
DK-16は形が悪いのでDK-20に交換します。


一体整形ではないのがうれしい?です。
DK-16はゴムのアイピースですので接着剤はゴム系を使っている筈です。
綿棒を溶剤で湿らせて接着剤を溶かしながら、丁寧に剥がせば簡単に外れます。
左が外したDK-16、右がDK-21Mです。
接着剤はシリコン系で写真のように内側近くの全周が接着されています。


DK-21Mを分解します。
4本のネジを外すと筐体は2つに分かれ、中から2枚のレンズが出てきます。
細かい気配りですが、ネジの頭が黒く塗られています。


左:前側のレンズのみですと像が大きく歪みます。
右:後ろのレンズを組み合わせると歪みのない像が得られます。
レンズにはちゃんとコーティングが施されています。


DK-21MにDK-20アイピースをセットしました。
こちらの組合せの方がしつくりきますね。

噂の検証です。

アイポイントが遠くなってケラレる

さすがにアイポイントを正規の位置に持っていけば、
像も全ての表示もケラレもなく見ることが出来ます。
アイポイントが後にいったり上下左右にずれると四隅がケラレます。

これは要改造ポイントです。

クリアさに欠ける
これは視度調整を忘れている人に多いと予想しています。
ちゃんと調整しても像が歪むという程ではありませんでした。
2つ上の上の写真を見ても分かりますが、極端な歪みはないですね。

「ピン」の見易さは向上するか?
期待していなかったのですが、確かに効果はありました。
劇的な効果はありませんので、地味なものですがそういうものでしょう。


[DK-21M 改造について]

ケラレの改造は開口率を上げる方法で対処します。
採寸の結果、ケラレはレンズの径が小さい事が原因だと分かりました。
レンズの入れ替えなんてやる気にもなりませんので、
筐体の開口率を上げて対処したいと考えています。


カメラ側のピースは内径をφ12mmまで拡げます。
ドリルではケラレがますので、純正と同じくテーパー加工が出来る特殊な刃を用いて加工しています。


接眼側のピースはほとんど拡大出来る余裕がありません。
ケラレが出る四隅を削って拡大します。

改造の結果、ケラレについては多少改善された程度です。
カメラ側のピースは加工により余裕が出来ましたが、
接眼側のピースの方は加工が足りなかったようです。

さらに加工する予定です。

[K3 Split Screen]

アイピースを求めて米国のサイトを彷徨っていました。
米国では古いNikonSLR用のアイピースがレプリカとして売られています。
値段も現在のアイピースの定価と同等で「ぼったくり」ではありません。

当然デジタルでMFという人達の要望にも応える人がいるのです。

Katz Eye™ Focusing Screen for the Nikon D200

素晴らしい!
でも手作りと書いてあります。
手作であればスクリーンを型から起こしているとは思えません。
既成のベースとなるスクリーンを加工して販売している訳です。

となれば自分でも加工したいと思うのは当然の流れです。

スクリーンが変われば露出も変わってきます。
その上メーカーが異なると露出係数がより大きく異なる可能性があります。

露出の補正係数を考えれば、ベースとしてD200と同じ全面マットのスクリーンが
良いと思いますが、私が慣れ親しんでいるのはスプリットプリズムです。

となりますとニコンのスクリーンからの選択になりまして、
現在売られているスクリーンで評判が良いのはK3スクリーンとなりました。



K3スクリーンはフィルムカメラ用でサイズは36×24mmが基準
D200はAPS-Cで23.4×16.7mmが基準となります。

 

[Katz Eye Focusing Screen for the Nikon D200] [2006/10/28追記]

K3スクリーンの加工にはD200のスクリーンのサイズを測定する必要があります。
外して測定するならついでに交換してしまいたい・・・
Katz Eye™ Focusing Screen for the Nikon D200を入手しました。

カラーレーザープリンタで作成したラベルシールで手作り感バッチリです。

交換マニュアルはKatz EyeのHPにPDFで用意されています。

私が交換に使用した物ですが、
1.ゴム手袋
2.ブロアー
3.樹脂製ピンセット(時計の電池交換用)
4.精密作業用ピンセット(時計の分解用)


交換方法はマニュアルに詳細に説明されていますので、
特に難しくはありません。

スクリーンを固定しているワイヤーを開放します。
ワイヤーは「ゼムクリップ」と同程度の太さです。
Katz Eyeの取説では精密ドライバーで外すように指示があります。


Katz Eyeの精密ドライバーの方法では滑ってスクリーンを傷付ける可能が高いので、
私は時計の分解に使う精密作業用ピンセットを使用しました。

ピンセットの先は針のように鋭いのですが、
非常に剛性のある作りですし使い慣れているので間違いがありません。

ワイヤーをピンセットでしっかり摘んでレンズ側へ引っ張ると溝から外れます。

ワイヤーがバネ状になっておりスクリーンの両サイドを固定する構造になっています。

ワイヤーが外れたらピンセットを「樹脂製」にして作業を進めます。

ワイヤーを樹脂製ピンセットで下げると、
スクリーンとシムが降りてきますので取り出します。


上がKatz Eye Focusing Screen for the Nikon D200
下がD200のオリジナルスクリーンです。


Katz Eye Focusing Screen for the Nikon D200の組込は、
樹脂製ピンセットを使用してペンタプリズム側にアルミ製シム、
スクリーン側に真鍮性シムを入れてKatz Eyeのスクリーンをセットします。


ワイヤーの固定には再び精密作業用ピンセットを使用します。
ピンセットの先でワイヤーをしっかり掴み、ワイヤーをCCD側に押し込みます。
溝にはまる感触が伝われば完了です。

[Focusing Screen TEST]

D200のファインダーから見た実際の状態です。
という事で蹴られているのはご容赦下さい。


D200オリジナルスクリーンの「合焦」している状態です。


D200オリジナルスクリーンの「ピントが合っていない」状態です。

高い倍率のファインダーですのでMFでもピントの山が掴みやすいと定評があります。
個人的にはピントが合っていると感じる範囲が「やや広い」と感じています。

 
Katz Eyeのスクリーンでは、ピントが合っていない状態では、
スプリットイメージ部分で上下の像のズレが明確になり、
その周囲のマイクロプリズムで像の荒れが確認出来ます。

 
Katz Eyeのスクリーンでの、合焦時です。
D200の測距系は(ハーフ)ミラーの裏側に位置しておりますので、
ミラーの上側にあるスクリーンは何ら影響は及ぼしません。

上の画像はAFにてピントを合わせていますが、MFで合焦させても同じになります。
ピントが合っている事がスプリットイメージで上下の像にズレが無く、
周囲のマイクロプリズムでもきれいに結像している事が分かります。


スクリーン交換しての感想ですが、作業自体は10分もあれば簡単に行えます。
D200専用に出来ているのでポン付け出来るのは非常にお手軽です。
デジカメでMFという私のような人達の要望にニコンも応えて欲しいものです。
交換用のスクリーンをSCにて交換するサービスするべきではないでしょうか。

Katz Eye™ Focusing Screen for the Nikon D200

については露出等のテストはまだ行っていません。
ピント山が掴めるという事はスクリーンが暗くなる方向になります。

露出もスプリットイメージがある中央部分でオリジナルと異なる可能性があり、
特に中央部分で明暗の差が大きいスポット的光源や被写体で問題になるかもしれません。
まぁそういう時はオートブラケットで段階露出して撮っておけば良いのですけど。

お奨め度ですが、価格についてはK3スクリーンを買って加工する手間を考えれば、
個人的には妥当な線だと考えています。
その効果についてはやや暗くなるファインダーを差し引いても、
MF派にはファインダーを覗く楽しみが増えますのでお奨めしちゃいます。


[MF Ai Lens]

アイカップが付きましたのでMFレンズもまだまだ活躍出来ます。

F4のようにAFもMFにも対応していまおり、
バッテリーパックを外せばコンパクトです。

撫で肩なのが気に入りません。

前から見るとMFレンズでもバランスは良い感じです。

カニ爪も問題なしです。

 

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